時々マンガやアニメなどのフィクション上のエピソードにおいて、デパートなどに来店した際に「あなたは記念すべき何人目のお客様です」と祝福を受けて贈り物を受け取る.....といったシーンを見かけることがあります。お笑いのコントにおいてもよく使用されるシチュエーションでもありますが、施設がこういった来場者数の“キリ番”を祝うことは実際にあるのでしょうか?
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まず初めに聞いたのは阪急うめだ本店。広報によると、「本当はそうして祝いたいところですが」と前置きした上で「過去に『何人目の来場』として特定のお客様を祝ったことはございません」とのことでした。
理由として「年間3000万人以上のお客様が来店し、多くの入り口がある中で節目を祝うというのはなかなか難しい」などが挙げられるとのこと。ちなみに、阪急うめだ本店では全ての入り口に入館者数を計測するカウンターが装着されており、来店者数の計測はしているそうです。
“来場キリ番獲得者への祝福”は存在しないのかとしつこく調べてみた筆者。見つけたのは、阪神甲子園球場の歴史を集めたミュージアム『甲子園歴史館』(兵庫県西宮市)です。昨年8月に入館者が150万人を達成した際、該当の来場者に「証明書」「記念トロフィー」「阪神タイガース公式戦チケット」などをプレゼントし、記念セレモニーを行ったという情報が。運営する阪神電気鉄道の広報に話を聞くと、「売り上げなどを計算するために、毎日、日報として入館者数は計測して報告しています。記念セレモニーはその延長線で、お客様に喜んで貰うために実施しました」とのこと。
ほか、2021年10月に開業した水族館「アトア(兵庫県・神戸市)」が開業の1年後である2022年11月に来場100万人を達成。100万人目の来館者をスタッフが祝福のクラッカーで出迎え、セレモニーや記念品の贈呈が行われています。広報によると入館者数は正確に把握しており、計測を常に行っているとのこと。
また、美術館のイベントなどでも節目の記念セレモニーは度々行われており、チケットを購入し入場するような施設ではそうした祝いを行うことはよくあるようです。入場チケットなどが無いものの、節目の来店客へ記念品を贈っている商業施設も発見しました。京都府舞鶴市にある道の駅『舞鶴とれとれセンター』です。ここでは「年間」や「開業からの累計」などキリ番に当たった来場者に対し、感謝状と記念品を贈呈し記念撮影を行っています。同センターによると、「二箇所ある入り口にカウンターを設置し、来店者数を計測しております。節目に近くなると準備を始め、お客様を出迎えるようにしています」とのことでした。
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マンガやアニメだけのフィクションかと筆者は思い込んでいましたが、意外と多くの施設で実際にキリ番セレモニーは行われていました。「間も無く何人目達成」などリリースを出していることもありますので、節目を狙いたい人は注意深く調べてみるのも良いかもしれません。