宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組(そらぐみ)に所属していた劇団員(当時25歳)が、2023年9月に急死した問題で、歌劇団を運営する阪急電鉄を総括する、阪急阪神ホールディングス(HD 本社・大阪市北区)の角和夫会長ら歌劇団側が、この問題をめぐる管理責任を認め、遺族に謝罪する意向を示していることが21日までにわかった。
歌劇団は女性の急死を受け、外部の弁護士9人によるチームが調査し、報告書で「長時間の活動や、上級生による指導などによる心理的負荷がかかっていた」とした。
しかし、「女性個人へのいじめやハラスメントは確認できなかった」と結論付けた。
一方、遺族側は、「(女性が)2021年8月、上級生にヘアアイロンで額にやけどを負わされた」と主張、代理人弁護士によると、このほか暴言や指導名目の叱責など15件のパワーハラスメント行為があったとしている。
この時、女性は母親へのLINEのメッセージに、「わざとな気がする」「さいあく(最悪)」などと記していたという。
宝塚歌劇団では、劇団員の転落死問題が起きた背景や企業風土の改革を進めるため、劇団員や関係者約400人からのヒアリング調査を続けていた。
協議を続ける遺族と歌劇団は、2月中にも4回目の面談を予定している。遺族側は、阪急阪神HDのトップとして角会長の謝罪を求めている。
関係者によると、今後協議がまとまれば、角会長が遺族へ直接謝罪するとみられるという。