2月24日、ロシアによるウクライナ軍事侵攻から2年が経過した。
この日の夜、ウクライナから関西に避難する人々や支援者など約200人が大阪・梅田スカイビル(大阪市北区)前の広場に集まり、一刻も早い侵攻の終結と、世界平和を願う「キャンドルナイト・セレモニー」が開かれた。
ウクライナ支援ネットワーク「桜と向日葵」(一般社団法人・東欧支援協会内)、日本ウクライナ文化交流協会、関西ウクライナ友好協会の共催。
この日はLEDを使ったキャンドル約1000個が灯され、“PEACE”のアルファベット文字とウクライナの国章、三叉戟(さんさげき)と呼ばれる三つまたの矛の形が浮かび上がった。
国章の周りには赤いカーネーション200本が手向けられ、ウクライナの戦没者と元日に起きた能登半島地震の犠牲者に黙とうを捧げ、ウクライナ国歌を斉唱した。
セレモニーではウクライナの首都・キーウから大阪府内に避難しているナタリア・ゴロドさんがスピーチし、「2年前の今日、生まれて初めてミサイルの音を聞いた。シェルターの中は怖くて、寒くて、やるせない気持ちになった。男性は戦地へ出向き、女性と子どもが残され、この時からウクライナ人の生活は一変した。娘を連れて日本に避難し、爆撃音を直接聞くことはなくなったが、ウクライナに住む知人や親戚のことがとても心配になる」と述べ、涙を浮かべた。
毎日、現地と連絡を取り、情報収集に努める日本ウクライナ文化交流協会・小野元裕会長は、ラジオ関西の取材に対し「ウクライナの人々は心身ともに疲弊している。『何か支援するものはないか』と尋ねても『何もない』と答えるようになった。それは、避難者にとって祖国が焦土と化した“怒り”と、経済面での将来への“不安”、自分たちでどうすることもできない“いら立ち”が混在している表れのように感じる。同時に、ロシア国内でも長期戦の影響が出てきている。軍需の増大が好況をうながしたように見えるが、急激なインフレが国民の生活をひっ迫し始めている。2014年のクリミア侵攻から10年。日本の皆さんも、ウクライナのことを忘れずに関心を持ち続けてほしい」と話した。