JR西日本と神戸市などは6日、JR三ノ宮駅の新しい駅ビルの起工式を行った。4月以降、工事を始める。
新しい駅ビルは地下2階、地上30階建てで高さは約155メートル、延べ床面積約9万平方メートル。商業施設やホテル、オフィスなどが入り、隣接のビル「ミント神戸」と屋外デッキで結ばれる。2029年度の完成を目指している。
起工式には、関係者約130人が参加。JR西日本の長谷川一明社長、神戸市の久元喜造市長らがくわ入れを行った。長谷川社長は「三ノ宮駅は京阪神地区のみならず、わが国全体の中でも重要なターミナル駅。ソフト面も充実させ、神戸のランドマークにふさわしい駅ビルになれば。最大限の安全と利便性を確保しながら工事を進めていきたい」とあいさつ。
久元市長は、1995年の阪神・淡路大震災で同駅周辺が壊滅的な被害を受けたことに触れ、「関係者の努力で復旧復興はしたが、その機能や佇まいは日本の大都市の中では決して褒められた状況ではなかった。なんとかしたいという思いで三宮など都心の再整備を計画した」と振り返った。その上で、「新しい駅ビル周辺に商業機能を集積させ、多くの人に神戸でショッピング、グルメ、アートシーンを楽しんでもらいたい。高層タワーマンションが林立してビル風が吹き抜けていくような無機質な街ではなく、公共交通と歩行者が大事にされ、人間らしい温かい都心になるよう取り組んでいきたい」と、今後の展望を語った。
式に続き、同駅周辺の将来をテーマに長谷川社長、久元市長らが語るトークセッションも開かれた。