ウインターブレイクを経て、3月2日から再開した国内女子サッカーのプロリーグ、「WEリーグ」。3日には早速、首位のINAC神戸レオネッサと2位の三菱重工浦和レッズレディースの上位直接対決があり、白熱の攻防の末、1-1のドローに終わりました。この一戦について、元なでしこジャパンDF川上直子氏が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で振り返るとともに、観客数の少なさに苦言を呈しました。
試合はINAC神戸が前半早々の5分に先制。なでしこジャパンMF北川ひかる選手のコーナーキックから、ゴール前にボールがこぼれたところを、DF竹重杏歌理選手が素早く詰めて、ヘッドで押し込みました。
しかし、ホームの浦和Lもすぐ反撃し、前半12分、同点に追い付きます。前INAC神戸、今シーズンから浦和LでプレーするMF伊藤美紀選手の縦パスをきっかけに、MF塩越柚歩選手を経て、中央にいたなでしこジャパンMF清家貴子選手が素早いターンから右足でシュート。これが決まり、試合は振り出しに戻ります。
その後は上位対決にふさわしい熱戦が繰り広げられましたが、両者決め手を欠き、皇后杯決勝の再戦は引き分けで終わりました。
この一戦について、川上氏は「INAC神戸は早い時間で先制したが、ボールを握られている時間も多かった。それでも、最後のほうはINACの持ち味の粘り強さも見られてチャンスはあった。一方、浦和の選手はフィジカルが強く、INACの若手が弾き飛ばされていた(のが印象的)。特に、清家選手は身体のバランスもよく、トップスピードのなかでも身体をバチバチ当てていた」と感想をコメント。
この試合の観客数は、2101人。好天の日曜日デーゲーム、大盛り上がりを見せたなでしこジャパンのパリ五輪最終予選の直後の試合で、しかもWEリーグを代表するチーム同士の直接対決ということを踏まえれば、少し寂しい数字でした。
川上氏は「この間のなでしこジャパンの試合が盛り上がった。試合のなかでもWEリーグの●●所属の●●選手と紹介されるなど、あれだけアピールしていたのに、それがつながっていない。WEリーグ、もうちょっとがんばろうよ! (観客は)勝手には来てくれないし、もっと宣伝しないと。せっかくのチャンスなのに、もっとWEリーグはできることがあるのではと私は思う」と、WEリーグの積極的な告知の必要性を説いていました。
WEリーグの次節・第9節では、9日(土)にINAC神戸が9位のサンフレッチェ広島レジーナとホームのノエビアスタジアム神戸で、浦和Lが10日(日)に7位のセレッソ大阪ヤンマーレディースとアウェイのヨドコウ桜スタジアムで、それぞれ試合を行います。
川上氏は、「INACは広島に相性がよくない。一方の広島も連敗したくないという気持ちで相当切り替えてくるだろう。ともに、なでしこの選手がいるし、おもしろい試合になると思う」とINAC神戸対S広島R戦を展望。なでしこジャパンの勝利に『山下の1ミリ』など好守で大きく貢献したINAC神戸GK山下杏也加選手らのホーム凱旋試合になることもあり、「あのGKが今週のWEリーグにも登場するから、皆さん見に来てほしい!」と、スタジアムへの来場を呼びかけていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年3月4日放送より