9日にノエビアスタジアム神戸で行われたサッカー・国内女子プロリーグ「WEリーグ」の第9節、INAC神戸レオネッサ対サンフレッチェ広島レジーナ戦では、INAC神戸が終了間際のゴールで1-0と劇的な勝利をおさめ、首位をキープしました。この一戦でDAZN配信中継の解説を担当していた元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)DFの川上直子氏が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、解説を担当していたときの状況などを明かしました。
皇后杯覇者とWEリーグカップウイナーとの対決は一進一退の攻防が続きましたが、両者決め手に欠き、スコアレスドローになるかと思われました。
そのなかで、川上氏は、試合の解説だけでなく、試合後の選手や監督インタビューも担当するため、試合終盤に解説席からピッチレベルに移動を開始。引き分けの場合はホームチームのINAC神戸の選手がインタビュー対象者となり、そのチョイスは解説者に委ねられていたそうで、当初は古巣対決となったMF松原優菜選手か、スコアレスの場合はなでしこジャパンGK山下杏也加選手を、川上氏は候補に挙げていたそうです。
しかし、試合は終了間際、アディショナルタイムに入ったあとに急展開。90+1分、INAC神戸は、右サイドからのMF北川ひかる選手の直接フリーキックが相手DFに跳ね返されるも、再び北川選手が拾って左足でペナルティーエリアに入ったところでシュートを狙うと、寄せていたS広島Rの選手の手に当たり、ハンドの判定で、PKを獲得。これを90+3分、エースのなでしこジャパンFW田中美南選手が相手GKの逆を突く冷静なシュートで決め切り、土壇場で均衡を破りました。
当初、山下選手、松原選手、ジョルディ・フェロン監督への質問を想定してピッチサイドに降りていた川上氏。PKにつながったシーンを生で見られず、場内がざわざわと盛り上がった様子や、広島のベンチから一斉にスタッフが飛び出して判定に異議を唱える様子を見て、何が起きているのかと驚き、その後にPKになっていたことを把握したと明かします。
試合はそのまま1-0で終了。川上氏は中継インタビューで、決勝点を決めた田中選手や、「マストでオーダーを出していた」という松原選手、そしてジョルディ監督に、試合の感想などを聞いていました。
試合から2日後のラジオ番組では「(INAC神戸が)最後まであきらめず押し込んだことで得たPKだったと思う」と、ホームチームの粘り強さを評価していた、川上氏。この試合のMIPに、INAC神戸DF竹重杏歌理選手をピックアップ。「失点ゼロで、DFはみんなとても安定していたが、竹重選手は、相手のキーマンである9番のFW上野真実選手に対して、1列おりてボールを受けに行っても、しっかりそこで仕事をさせずにつぶすなど、活躍が光っていた。また、北川選手へピンポイントパスを通す場面もあり、(全体的に)素晴らしかった。3シーズン目で、安定感も増して、自信を持ってプレーできているように思う」と、21歳の長身センターバックを称えていました。
INAC神戸は次節、16日に再びホームゲームに臨みます。この日は、J1・ヴィッセル神戸との共同開催となり、午後2時からヴィッセルが、午後7時からINAC神戸が、ノエスタで試合を実施。昨年に引き続き、神戸でJとWEのダブルヘッダーが実現します。なお、当日のヴィッセル戦のチケット保持者は、INAC神戸の試合も観戦が可能となっています。
次節のINAC神戸対ジェフユナイテッド市原・千葉レディースでもDAZN中継配信の解説を担当することが決まっている川上氏は、「ヴィッセル神戸とのホームゲーム共催。ちょっと時間をつぶして、19時(午後7時)からのINAC戦にもぜひ力をください! 特にサッカーをしている少年少女に生で見てほしいし、夕方まで練習があってもそこから来られるので、ぜひスタジアムに足を運んでください!」と呼びかけていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年3月11日放送回より