平八郎は晩年、「このごろではもう装飾的になっても写実になってもかまわんと思っている。問題は内容だ」と話していたといい、日々写生に取り組み、写実に基づいた制作を行う姿勢は生涯変わらなかった。一方で子どもの描いた天真爛漫な絵に興味を持ち、しばしば模写していたという。
林野雅人主任学芸員は、平八郎作品について「構図、トリミングが巧妙」と評価。「SNSに多くの人が写真を投稿する今、対象の配置や画を切り取る技術力の高さを実感してもらえるのでは」と指摘し、「時代ごとに変わる新鮮な画風を楽しみつつ、見る人をあっと驚かせたいという気持ちで挑戦を重ね続けた平八郎の人生に思いをはせてほしい」と話した。
◆「没後50年 福田平八郎」
会場 大阪中之島美術館 〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-1
会期 2024年3月9日(土)~2024年5月6日(月・休)※会期中に作品の入れ替えあり。前期は4月7日(日)まで。後期は4月9日(火)から。
休館日 月曜日(4月1、15、22、29、5月6日は開館)
開場時間 10:00~18:00(入場は17:30まで)
観覧料(税込) 一般1800円、高大生1000円、中学生以下無料
問い合わせ 大阪市総合コールセンター 06-4301-7285
【大阪中之島美術館 公式HP】