大手通販サイトをはじめ、ECサイトを利用した宅配も当たり前になってきたなか、不可欠なのは配送業者の存在です。このたび、軽貨物運送業の代表がラジオ番組で現状を明かしました。
千葉県市川市に本社を置く株式会社パワー・カーゴ。運送会社での勤務を経て独立した木谷克彦さんが同社を立ち上げ、今年で社業は14期目を迎えます。
配送サービスへのニーズ増加に伴い、配送ドライバーや車両を増やすなど、対策を講じながら同社の事業を拡大してきた木谷さん。ラジオ番組ではパーソナリティー陣と“宅配あるある”の「再配達」の話になり、そこでは再配達が多いと「へこむ」と本音を漏らす一幕も。
「僕らの場合、不在になると(契約している)大手さんから一銭もいただかないという契約をすることが多いので、配送を完了しないとお金をいただけないんです。何度再配達しようが関係なく(お金をいただけるのは)完了時の1回分だけ。配送センターに戻るのも大変ですし……なので宅配ボックスの存在はありがたいですね」(木谷さん)
同社を起業後、今日に至るまで、様々な壁に直面したそう。「経営を学んでというのではなく、ドライバーあがりだったので、右も左も何もわからずいろいろやっていたら、資金面のことだったり、あとは幹部で信用していたドライバーが辞めたり、いろいろとありましたね」。番組内でかかったリクエスト曲、GReeeeN「扉」を聴きながら、これまでを思い返す様子もありました。
同社ではドライバーの年齢層も幅広く、団塊世代やバブル世代、今の若年層など、あらゆる世代を率いている、木谷さん。「世代間の価値観も違うし、人それぞれに様々な人間模様があるなか、この軽貨物の仕事に飛び込んでこられるので、経営者として世代間のバランスを取る大変さもあります」と語っていました。
そんな木谷さんは、企業を経営するかたわら、「もともと海が好き」ということもあり、趣味で伊豆や沖縄など各地の海を夫婦で潜っているそうで、宮古島でのサンゴの保全活動にも参加。「宮古のサンゴはめちゃくちゃキレイ。これをずっと残していかないといけないなと思ったし、微力ながら何かできることがあればという思いでやっている。普段はガソリンを使った仕事で環境に負荷をかけているので……、中小の規模でできることは限られているが、いろいろ検討したなか、自分も楽しみながら地球に良いことができればという思い(で参加した)」(木谷さん)。そこで同ラジオ番組パーソナリティーの林歳彦氏と知り合ったのだと言います。
今後については、「まずは電気自動車の導入を検討している」と木谷さん。「どう充電するかは課題だが、実際に乗ってみないと何ともわからないので、試験的にまず1台導入してみようと思っている」と、社業での環境対策にも取り組むよう。そのうえで、「いま在籍しているドライバーが120名ほどだが、それを200名規模にまで大きくしていきたい」と、さらなる事業拡大へ、前を向いていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2024年3月11日放送回より