5月17日(金)から25日(土)まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場(神戸市西区)を会場に開催される『神戸 2024 世界パラ陸上競技選手権大会』(以下、世界パラ陸上大会)。国際パラリンピック委員会によって創設された、世界最高峰のパラ陸上大会です。171種目(男子93、女子77、混合1)が行われ、約100の国や地域から合わせて約2300人(選手約1300人、関係者約1000人)が参加する予定です。
同大会は、2024年パリパラリンピックの最終選考会の舞台としても注目されています。もともとは2021年に開かれることになっていましたが、新型コロナウイルスの影響で2度延期。ついに今年5月、東アジアで初めての大会が兵庫県神戸市で実現します。
兵庫県ユニバーサル推進課の相浦輝之さんは「この機会が、東京オリパラ(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)でより深まった共生社会の実現に向けて良い流れを絶やさず、パラスポーツの普及や障害への理解、そしてインクルーシブな(=すべてを包括する)社会の実現をより一層進めるきっかけになれば」と話します。
◆「パラスポーツ」と「障がい者スポーツ」の違いとは?
どちらも耳にしますが、相浦さんによると、一般的には「障がい者スポーツ」=障がい者が行うスポーツ、「パラスポーツ」=パラリンピックの種目と思われがち。しかし、日本パラスポーツ協会が示す位置付けでは、パラスポーツは意味合いがもっと広く、 障がいの有無や年齢など関係なく“誰もが一緒に楽しめるスポーツ”としています。パラスポーツ(Para Sports)の「Para」には「並行」という意味があり、Para+Sportsで「もうひとつのスポーツ」という意味になるそうです。
パラスポーツの役割には、リハビリテーションの手段や、健康増進・社会参加意欲の伸張、障がいや障がい者に対する理解の促進などが挙げられます。もちろん、生活の中で楽しむことができるスポーツ、競技としてのスポーツという役割もあるといいます。
そんなパラスポーツの世界大会が、5月に行われる同大会です。開催の地は、世界に誇るコンテンツをあまた有する兵庫・神戸。その魅力を多くの人に感じてもらえるよう、 同県では昨年4月1日に、全国で初めて「ユニバーサルツーリズム推進条例」を制定しました。この条例は環境整備について定めたもの。年齢や障がいの有無などにかかわらず、すべての人が不便を感じることなく旅行できるよう、大会とともに観光も楽しんでもらえる環境づくりを進めているとのことです。