サッカー・国内女子プロリーグ「WEリーグ」のINAC神戸レオネッサは、3月最後の試合となった31日の第13節、セレッソ大阪ヤンマーレディースとの関西対決で2-1と勝利。勝点を33に伸ばし、1試合消化の多い首位・三菱重工浦和レッズレディース(勝点35)との勝点差を2としています。その試合で活躍が光ったのが、INAC神戸のキャプテンで、なでしこジャパン(日本女子代表)FW田中美南選手です。1日放送のラジオ番組で元なでしこジャパンDF川上直子氏が、そのプレーを称えていました。
31日の試合で、アウェイのヨドコウ桜スタジアムに乗り込んだINAC神戸は、前半早々の7分、MF成宮唯選手の2試合連続得点で先制。この得点を導いたのが、田中選手でした。DF土光真代選手からのロングフィードを左足でトラップしながら前に出ると、セレッソのU-20日本女子代表DF白垣うの選手の寄せにも動じず。川上氏いわく「迫力があった」力強いドリブルで敵陣ペナルティーエリアにドリブルで進入し、そこからの成宮選手への丁寧な折り返しの段階でほぼ勝負ありという状況に持ち込みました。
また、1-1で前半を折り返したあと、後半開始直後の48分(後半3分)には、ロングボールの競り合いに勝ったところからチャンスを切り開いた、田中選手。こぼれ球に反応し、そのボールを右サイド深く、タッチライン際に持ち込むと、相手選手2人が寄せようとしたところで右クロス。これがゴール前に飛び込んできたFW愛川陽菜選手にピンポイントで合い、愛川選手の勝ち越しヘディングシュートにつなげました。
セレッソのディフェンスラインには、16歳の左サイドバック・牧口優花選手をはじめ、10代の選手が3人揃うなど、若い守備陣が並びましたが、そのフレッシュな力をものともせず、逆に吹き飛ばすとばすような強靭な体躯で、セレッソに圧力をかけ続けた田中選手。ゴールこそ生まれませんでしたが、別格の存在感を発揮したということで、川上氏はこの試合のMIPに挙げていました。
「今回も格の違いを見せつけていた。セレッソの選手はちょっとカルチャーショックを受けたのでは、と思うくらい。これが日本代表(というプレーを見せていた)。欲を言えばループシュートが入っていれば。それでも、2アシストの素晴らしい活躍だった」(川上氏)
川上氏がパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)にはファン・サポーターからこの試合の感想が寄せられていましたが、リスナーの一人も「体格のでかい選手のブロックングと空中戦に競り勝つ身体の強さは完璧だった」と、田中選手の出色のプレーに脱帽の様子でした。
WEリーグの次節は4月14日(日)。その間には、なでしこジャパンがアメリカへ遠征し、「2024 SheBelieves Cup」に出場。田中選手はGK山下杏也加選手、DF守屋都弥選手、MF北川ひかる選手とともにそのメンバーに選ばれています。今回、アメリカ女子代表、ブラジル女子代表と対戦しますが、パリ五輪に向けての貴重な実戦の舞台となる同大会で、世界の強豪国相手に田中選手がどんなプレーを見せてくれるのかにも注目です。