サッカーの女子国内プロリーグ「WEリーグ」は、18日(木)、第15節の6試合が予定されています。そのなかで注目は、広島に生まれた新スタジアム「エディオンピースウイング広島」での公式戦初ナイトゲーム、今シーズンのカップウイナー同士の顔合わせ。WEリーグカップ覇者サンフレッチェ広島レジーナ(以下、S広島R)のホームに、皇后杯覇者INAC神戸レオネッサが乗り込む一戦です。
暫定7位(勝点16)のS広島Rと、同2位(勝点34)のINAC神戸。これまでのリーグ戦、リーグカップ戦を合わせた対戦成績は、S広島Rが1勝、INAC神戸が3勝、2つの引き分けと、INAC神戸が優勢。しかし、S広島RはホームでINAC神戸に1勝1分けと負けなし。勝敗はいずれも1点差と、拮抗した戦いが続いています。 直近の対戦となった3月9日のWEリーグ第9節、ノエビアスタジアム神戸での対戦では、INAC神戸が終了間際に得たPKをエースFW田中美南選手が決めて、1-0と勝利しています。
その白星からINAC神戸は3月のリーグ戦で5連勝を達成するなど好調でしたが、4月最初の試合となった14日の第14節では、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、東京NB)とスコアレスドロー。ホームで勝点1獲得にとどまり、1試合消化の多い首位・三菱重工浦和レッズレディースとの勝点差は4に広がりました。
この試合のINAC神戸は、アメリカ遠征から帰国したばかりのなでしこジャパン4選手(GK山下杏也加選手、DF守屋都弥選手、MF北川ひかる選手、FW田中選手)がそろって先発。開始早々から攻勢をかけましたが、ゴールには至らず。逆に後半、なでしこジャパンFW藤野あおば選手を投入して反撃に出た東京NBに苦しめられる場面もありました。
試合後、古巣対決だったこともあり「本当に悔しいの一言」と述べたのは、INAC神戸のDF土光真代選手。「前半のいい流れのときに得点がとれていれば違った流れになったかもしれないが、これが自分たちの実力。広島戦は、優勝に向けて勝つしかない。1つも落とせない状況なので絶対に勝点3を取る。後ろは絶対に無失点で終えたい」と前を向いていました。また、同じく古巣対決だった田中選手も「引き分けは痛かったが、切り替えて次の広島に向かって全員でやっていきたい。後の試合での引き分けは負けも同然、勝ちにこだわってやっていきたい」と、こちらも今後の一戦必勝を誓っていました。
この一戦の配信中継を解説した元なでしこジャパンDF川上直子氏は、INAC神戸の東京NB戦について、「勝点3を失わなかったという考え方もできる。勝点1しかとれなかったのは非常に残念も、内容的に考えれば失点はしていないところは胸を張れる部分。そこで得点できていれば勝てたということ」と、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)でコメント。リーグ戦無敗の継続や無失点を評価していました。
一方のS広島Rは、前節、味の素フィールド西が丘で行われたマイナビ仙台レディースとのアウェイ戦で2-1と勝利。試合では今年1月末にチームに加わったFW李誠雅(り・そんあ)選手が、WEリーグデビュー。途中出場からわずか3分後に決勝ゴールを記録し、チームを3試合ぶりの勝利に導きました。なお、チームのエースで、リーグ戦得点ランキング2位(7得点)のなでしこジャパンFW上野真実選手は後半から登場しています。