大阪・関西万博会場の人工島・夢洲(大阪市此花区)で3月、建設工事中に起きた爆発事故で、運営する日本国際博覧会協会は19日、可燃性ガスの濃度測定が不十分で、作業中に発生した火花が引火したことが原因だったと発表した。
博覧会協会は、ガス濃度の測定を徹底するなどの再発防止策を講じた上で、中断していた火気を伴う一部の工事を22日から再開する。
爆発事故は3月28日午前11時ごろ、会場西側の屋外イベント広場などを設ける「グリーンワールド(GW)」と呼ばれる工区で起きた。
来場者用トイレの建設現場での溶接作業中に火花が出て、可燃性ガスに引火。これによりトイレの床が約100平方メートルにわたり破損したが、けが人はなかった。各パビリオンや中心部の大屋根リングとは工区が異なる。
博覧会協会は事故の直接的原因について、地中のメタンガスが滞留し、ガス濃度が高くなっており、溶接作業中に起きた火花が引火したと結論付けた。
博覧会協会幹部によると、通常、床下の工事の際は作業開始前に空中にメタンガスを放出したり、換気するなどしたりして、ガスの濃度が基準値未満であることを確認して作業していたが、今回は作業範囲が地上だったため、ガス濃度測定の対象エリア外であると認識していたとしている。
博覧会協会の藁田博行整備局長は「今回の事故を教訓に、整備工事中と万博開催時の会場の安全に気を引き締めないといけない」と述べた。