今は魚の惣菜やお弁当メインに展開していますが、御用聞きの注文は山手のみならず浜の方や市外にも広がり、以前より増えているそう。
大橋さんは、御用聞きを続ける理由をこう語ります。「配達先で体調の悪いお客様を助けたことがあります。お得意の中には一人暮らしの高齢の方も増えて、生存確認の意味もあるんです。必要とされている限りは続けますよ」。
いずれの御用聞き店も、百貨店の外商のようであり強いプロ意識も感じます。今の時代希薄になった“売り手と買い手の信頼関係”があってこそ成り立つ、高いホスピタリティ(おもてなし、思いやり)を伴う芦屋の御用聞きでした。
(取材・文= 株式会社芦屋人 杉本せつこ)