このほか、寺宝の「愛染明王尊像」(絹本着色)が初公開されている。外題に元禄戌寅(1698年)の作と記され、文芸・学問・芸術の著しい発展をみた元禄時代らしく華やかで、精緻さと華麗さは江戸時代の仏画熟成期の特徴をよく示している。
凹凸をつけて、金色があらゆるところに散りばめられている尊像。中心部は強い朱色で彩色されており、粒子が細かく純度が高い絵具を使用し、鮮やかな発色で剥落しにくかったとされる。
そして「あまりにも華美で、装飾も多いため、特別な機会のもの」とされ、外気にさらされることが少なかったため、保存状態が良好だったとされる。
金剛三昧院の八尾康善さんは「特に愛染明王の衣の模様や、細やかな装飾を通して、仏画のレベルの高さを垣間見ていただきたい」と話す。
・・・・・・・・・・・・・・
特別拝観に合わせ、仏像を美術品として日常的に楽しむことを提案するインテリアブランド・イSム(isumu 東京・表参道)が金剛三昧院・本坊玄関でフィギュア仏像展を開催。展示即売も行う。
2022年5月に200体限定で販売、わずか4日間で完売となった「TanaCOCORO(掌)愛染明王」も並ぶ。