えりすぐりのガラス作品約130点を公開 兵庫陶芸美術館「フィンランド・グラスアート」 26日まで | ラジトピ ラジオ関西トピックス

えりすぐりのガラス作品約130点を公開 兵庫陶芸美術館「フィンランド・グラスアート」 26日まで

LINEで送る

この記事の写真を見る(13枚)

グンネル・ニューマン 《薔薇の花びら》 1948年 アアルト夫妻とともに国際的な注目を集めたデザイナーでしたが、乳がんを患い、惜しくも39歳で逝去。晩年を代表するデザインの一つで、エレガントで美しい稜線が見どころ。
カイ・フランク 《クレムリンの鐘》 1956年  もともと日用品のデザインとして考案されたものですが、1957年のミラノ・トリエンナーレに出品され、アートグラスとして生産されるように。シンプルで機能的、スタッキングも出来、汎用性がある、カイ・フランクが得意としたデザインです。
オイヴァ・トイッカ カラフルでポップな作品群。 すべてユニークピース(1点物)、作品のサイズもどんどん大きくなっていく。

 そして今日、自ら工房を持ち、技術も身につけた個人作家たちが活躍する時代となり、アートグラスもまた、各々が素材と向き合い、探究し、新たな創造の可能性を広げていきながら、独自の進化を遂げています。展示の締めくくりには、現在、フィンランドで精力的に活躍するマルック・サロ(1954~)、ヨーナス・ラークソ(1980~)による個性豊かな現代のアートグラスを紹介しています。

 時代を超えて、フィンランドの表現者たちが切り開いたガラスの魅力、そこに込められた美への思いをきっとご体感いただけることでしょう。

 さらに、同時開催の「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」では、また別の切り口でフィンランドの人々の「心」に触れていただけるのではないかと思います。合わせてお楽しみ下さい。

カイ・フランク 《アートグラス、ユニークピース》 1970年代前半  同心円状に色ガラスの帯を重ねていく「リング技法」を職人たちと開発し、カラフルで動きのあるユニークなデザインで、新しいガラスの表現を目指しました。
マルック・サロ 《缶詰のフルーツ・フラワー》 2009年  自作した金属のメッシュにガラスを吹き込んだユニークな作品は今にも歩き出しそう?実物はどんな大きさか、是非、会場でお確かめ下さい。

 新緑がまぶしい季節となりました。美術館の周囲には美しい新緑の風景が広がり、マイナスイオンがいっぱい。ぜひゆったりとした気持ちで感覚を開き、フィンランドの工芸の粋をご堪能下さい。会期は残りわずかとなりました。どうぞお見逃しなく!

(兵庫陶芸美術館学芸員・マルテル坂本牧子)

森林の緑に包まれた兵庫陶芸美術館。マイナスイオンがいっぱい!

◆特別展「フィンランド・グラスアート-輝きと彩りのモダンデザイン-」
(同時開催「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展-食べること、共に生きること-」)
会場 兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4)
会期 2024年5月26日(日)まで
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館時間の30分前まで)
休館 月曜日
観覧料 一般1500円、大学生1,100円、高校生以下無料
電話 079-597-3961(代表)、FAX 079-597-3967

兵庫陶芸美術館 公式HP

LINEで送る

関連記事