女子サッカー・WEリーグに所属するINAC神戸レオネッサの安本卓史社長がラジオ番組にゲスト出演。18日のホーム最終戦で現役引退セレモニーを行った元なでしこジャパン(日本女子代表)MF増矢理花選手についてのエピソードを明かすとともに、ホームゲームで行った招待企画についても言及しました。
WEリーグ第21節の三菱重工浦和レッズレディース戦後、ホーム最終戦セレモニーとともに行われた、増矢選手の現役引退セレモニー。「皆さんのおかげでここまでサッカーを続けることができました。INAC神戸レオネッサという素晴らしいクラブでプレーして、このクラブでキャリアを終えられて本当に幸せです」と涙ながらに挨拶を行った背番号8は、2シーズン在籍したサンフレッチェ広島レジーナへの感謝も述べつつ、「最高のサッカー人生でした。本当にありがとうございました!」という言葉を残して、ピッチに別れを告げました。
ホーム最終戦セレモニーでの挨拶、および、20日放送のラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)で、「オフもものすごいがんばっていた」と、増矢選手の今シーズンにかける並々ならぬ思いを明かした安本社長。3月のリーグ戦再開直前に無念の負傷離脱となったなか、4月21日の第16節ノジマステラ神奈川相模原戦の前日に、「期するものがあるなかの相談」を受け、試合直前に増矢選手の思い、現役引退の決断について、イレブンに伝えたといいます。「(増矢)理花の思いを(選手に)託した。それで選手が奮起したと思う」(安本社長)。
増矢選手は引退後、郷里の徳島に戻るとのことですが、安本社長は「ぜひ実家でゆっくりリハビリしてもらって、元気になればまた神戸で仕事してもらえれば。増矢選手の特長のあるターンなど技術を子どもたちに教えてほしい」とコメント。最終戦の第22節大宮アルディージャVENTUS戦(NACK5スタジアム大宮)では当初、ベンチ入りも検討していたようですが、増矢選手から「私のために1枠を割いてくれなくていい」と伝えられたことも明かし、「彼女は最後までプロ」と、安本社長はINAC神戸のレジェンドプレーヤーに敬意を表していました。
一方、安本社長は同番組内で、シーズン中に行っているホームゲーム招待企画についても触れました。
今回のホーム浦和L戦では1万人招待企画を実施しましたが、その告知方法については一部で抗議や批判の声などがSNSを通じて寄せられていました。自身のXアカウントでの表現などを述べ、個人のXアカウントを削除した思いも吐露した安本社長は、今後のINAC神戸に関する発信に関して、安本社長個人としてではなく、クラブ公式SNSや公式アプリに集約すると述べていました。
ゴールデンウイーク中の試合では神戸市内の園児や児童、生徒らを招待するなど、若年層を中心にサッカー観戦の場を提供し続けているINAC神戸。安本社長は、「INACの方針としては、ウチはいま、選手たちにお客さんが入っていないスタジアムでやらせるよりも、お客さんをたくさん入れて試合をさせてあげたい」と、招待企画の意義をコメントするとともに、スポンサーからの支援で成立していることを強調。
そのうえで、「いま(招待企画で)観に来てくれている小中高生の女の子たち、サッカーしてくれている子たちが、プレーはやめたけど大人になってもINACに応援に行くよとなると、いまやっていることは価値がある」「INACテゾーロ(U-15)の選手たちが今回、大きな声で応援してくれたが、(ジュニア年代の女子サッカー選手など)この子たちがINACに入りたい、ここでプレーしたいと思ってくれたら、この招待は無意味じゃないと思うし、この企画はずっとやる。(招待企画を反対する)お声はわかるが、未来へつなげていきたい」と、招待企画を当面続ける意向を示していました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年5月20日放送回より