大阪・関西万博の会場・夢洲(大阪市此花区)で2024年3月に起きた爆発事故について、建設工事の施工業者が被害の一部を報告していなかったことがわかった。
万博を運営する日本国際博覧会協会が、事故から約1か月半後の5月20日に連絡を受けたという。
新たに判明したのは、屋根部分の鋼板のへこみ10か所と、配管を通すために建物の基礎部分を貫く塩化ビニール管「スリーブ」の変色2か所。
爆発事故は3月28日午前11時ごろ、会場西側の屋外イベント広場などを設ける「グリーンワールド(GW)」と呼ばれる工区で起きた。
来場者用トイレの建設現場での溶接作業中に火花が出て、地中から発生した可燃性ガスに引火。これによりトイレの床が約100平方メートルにわたり破損したが、けが人はなかった。各パビリオンや中心部の大屋根リングとは工区が異なる。
博覧会協会は事故の直接的原因について、地中のメタンガスが滞留し、ガス濃度が高くなっており、溶接作業中に起きた火花が引火したと結論付けた。
この工区の施工は、鹿島・飛島建設共同企業体(JV)が担当。鹿島建設によると、破損が小規模だったことから、JV内で情報が共有されなかったという。
この事故をめぐっては、消防への通報が発生から約4時間半後だったことも判明している。