国内外から観光客が集まる東京・浅草で活躍する人力車。そんな人力車を引くのが、「俥夫(しゃふ)」と呼ばれる人たちです。このたび、現役の俥夫によるユニット・東京力車のメンバー、白上一成と田井裕一がラジオ番組に出演。俥夫とアーティストの“二刀流”について語った。
2015年、浅草で人力車を引く会社・東京力車の俥夫らが「人力車の魅力を世界に伝え、浅草を盛り上げよう」と結成したユニット・東京力車。現在は、石橋拓也、白上一成、田井裕一の3名で活動している。
現役の俥夫として浅草の街を駆け巡る一方、2022年7月にリリースしたシングル『Sole!~おまんた囃子~』は、自己最高オリコン総合ランキング5位、3作連続オリコン週間演歌・歌謡シングルランキング1位を獲得するなど、アーティストとしても精力的に活動している。
【近藤夏子(以下:近藤)】 ラジオなのに、ちゃんと人力車の衣装を着てきてくださってありがとうございます。
【田井裕一(以下:田井)】 これは「俥夫着」といいます。実際にこれを着て人力車を引っ張っているので、僕らにとっての正装ですね。今日は移動も昼食も俥夫着を着ていたので、洋食屋さんで「お祭りですか?」と聞かれました(笑)。
【近藤】 ステージに立ちながら、現役で人力車を引っ張っているんですよね?
【白上一成(以下:白上)】 はい、そうです! 俥夫としては、ゴールデンウィークのある5月は1年のなかで1番忙しいですね。
【田井】 ユニット名の「東京力車」は人力車の会社の名前でもあるので、僕らも人力車を引きます。宮城県や山梨県などいろいろなところでライブをしたり、その次の日には人力車を引いたりして。昨日は大阪でライブがあったのですが、その前日にも浅草で人力車を引いていました。
【近藤】 「東京力車」は会社の名前なんや! それもすごく変わってますね! 昨日は大阪でライブがあったとのことですが、リスナーさんからメッセージをいただいています。
「白上さん、田井さん、関西にお帰りなさい。東京力車さんが関西で活動する機会が増えて、とてもうれしいです。昨日の公録風ライブもめっちゃ楽しかったです!」とのことですが、この“公録風ライブ”とはなんでしょうか?
【田井】 僕がめっちゃラジオが好きで。“パーソナリティーをゲットするための道”みたいな感じで、自分で公開ラジオのような企画をしたんです。
【タケモトコウジ(以下:タケモト)】 それは最終的に収録して、どこかで流れたりするのですか?
【田井】 1月6日の僕の誕生日に「生誕祭」という形で公開ラジオをしたのですが、それは音源データを販売しました。
【近藤】 そんなにラジオが好きなんだ! 好きなのが伝わってくるのが、マイクに対して前のめりなところ。
【田井】 どれだけ爪痕を残せるかが大事なので。ラジオ番組をゲットしたいんです!
【近藤】 しゃべりも上手やし、ラジオのオファーが来そう! 人力車を引いているときも、トークというかお客さんとの会話が大事ですよね?
【田井】 そうですね。1番短いコースだと10分で、そこから10分単位で時間を決められます。ヒアリングをしながら、時間内でどこを走るか考えつつコースを決めて、走りながらガイドもして、途中で写真も撮って……。いろいろなグルメを紹介したり、質問に答えたりしながら最後目的地までお送りするという感じですね。
【近藤】 すごい! 俥夫とアーティスト、どちらの活動を先に始めたのですか?
【田井】 僕とカズ(白上)は、2018年の5月にオーディションで入ったんですよ。ただ、カズに関してはオーディションの前から俥夫をやっていましたね。
【白上】 僕は滋賀県出身なのですが、上京して初めて仕事をしようと思ったとき、旅行で東京力車の人力車に乗った思い出があったので「一発目は人力車をしよう」と思ったんです。その後にオーディションがあって、このユニットに加入することになりました。
【近藤】 力も知識も必要な俥夫はすごく大変そうですが、それでもやりたいと思ったんですか?
【白上】 そうですね。やっぱりかっこよかったのと、俥夫を見て「自分もこうなりたい」という思いがあったので、上京して一発目に始めました。