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この日、兵庫県立神戸鈴蘭台高校(神戸市北区)の福祉活動部に所属する生徒らが、太平洋戦争の体験談をもとに制作した紙芝居「愛犬はなのお話」を大倉山公園で披露した。生徒らは戦争体験者から、戦時中の飼い犬の状況を聞き取った内容をまとめ、昨年(2023年)夏、水彩絵の具で描くなどの作業に取り掛かり、今年2月に完成した。
この物語は戦時中、家族4人で「はな」と名付けた犬を飼っていたが、ある人物が突然やって来て、「日本はアメリカに対抗し、重大な局面を迎えている。兵士たちのために、飼い犬を差し出すように」と動員をうながされる。母親はひざまづき、「この子(はな)は家族なんです。この子だけは連れて行かないで」と懇願する内容だ。
生徒らは、このテーマソングも作った。「涙あふれて 何も見えない さよならの風景」「忘れない あの戦争のことを」とつづっている。
絵本や紙芝居の制作は、2022年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻がきっかけだったという。生徒の一人は、「戦争や平和について考える機会をつくりたかった。涙を流す方もいて、戦争を体験した方々にとってはとてもつらい体験だったんだと実感した。戦争という悲惨な出来事を風化させないよう、これからも語り継いでいきたい」と気持ちを新たにした。