“勤勉の象徴”である二宮金次郎像が買える―。兵庫県三木市が、市内の閉校した小学校に設置されていた二宮金次郎像を一般競争入札にかけることを発表し、話題になっています。問い合わせは多数あり、すでに入札参加希望者の申し込みは締め切り。6月21日に入札が行われ、購入者が決まります。果たして、誰がいくらで購入し、どんなふうに活用するのでしょうか……。入札の経緯や現状などを、市の担当者に聞きました。
入札にかけられたのは、一昨年、2022(令和4)年に閉校した三木市の東吉川(ひがしよかわ)小学校に設置されていた二宮金次郎像。青銅製で高さは1メートル、重さは23キロです。
三木市の担当者によると、今から65年前に設置されました。閉校後も旧学校の跡地に置かれていたのですが、学校の土地を元の所有者に返還するにあたり一時市役所の倉庫に保管していました。市としても活用法がないか模索しましたが見つからず、「“勤勉の象徴”として多くの子どもたちを見守ってきた二宮金次郎像をこのままにするわけにはいかない」と、新たに必要とする人への売却を決めたとのこと。
最低入札価格は1万1千円(税込)! 市内のアンティーク雑貨店などにアドバイスを受けての価格設定だそうです。市の担当者は「自治体が学校に実際に置かれていた二宮金次郎像を売却することは非常に珍しいと思います」とコメント。希少価値がついて入札競争は激しいものになるかもしれません。
実際に、発表後すぐに問い合わせが多数あり、6月4日には入札の見学会が開かれました。
「やはり、なじみ深いのか、少し上の世代の方を中心に、見学会にお越しになりました。みなさん予想以上に二宮金次郎像に熱い思いを持っていて驚きました」と、前述の担当者も驚きの様子。
すでに入札の申し込みは終了し、あとは購入者の決定を待つのみ。担当者は「購入した方には自由にそして大切にお使いいただいて、新たな価値を見出してほしいです」と話しています。
ちなみに、三木の話から変わりますが、二宮金次郎像といえば、別のトピックも出現。薪を背負って、歩きながら本を読む姿から「歩きスマホを助長する」との意見もあって、減少傾向という話もあるようです……。それを逆手にとってか、ユニークな二宮金次郎像が登場しています。
群馬県にあるのは、なんと『ジェット二宮金次郎』像。背負っているのは薪ではなくロケットです。「ユーモアを持って勉学に取り組むべし!」と二宮金次郎に言われている気がします……。
時代の推移とともに、変わりゆく……かもしれない二宮金次郎像。三木の「彼」の今後も、大いに気になるところです。
※ラジオ関西『Clip』2024年6月12日放送回「トコトン兵庫!」より