◆神戸・生田警察署の管内ではどういった状況なのか?
~歓楽街の安全を守るためのパトロールはもちろん、不法滞在者に関する情報を入手して検挙につなげるいった地道な活動から、風俗営業の営業所などへの立入りや不法就労を助長している店の検挙など幅広い活動を行っている。
雇用主も「バレなければ大丈夫だろう」という油断があると、犯罪行為を助長することになる。働くことが認められてない外国人を雇ったり、その雇用をあっせんした場合、「不法就労助長罪」など処罰の対象になる。
確実な身分確認をせずに不法就労をさせてしまうと、出入国管理及び難民認定法違反罪に問われ、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金の処罰対象となる。不法滞在者であることや就労資格がないことを知らない場合でも、尽くすべき確認義務を怠れば、不法就労助長罪に問われることがある。ここに大きな落とし穴が潜んでいる。
◆雇用する側にも不法就労を助長する原因が?
~今年(2024年)、生田警察署が検挙(不法就労助長)した人材派遣会社社員は、不法滞在などで就労資格がないベトナム人4人を神戸市内の会社に派遣していた。その際に在留カードの確認を行わず、外国人を雇用していた。この社員の供述から、「人手不足なので、とにかく働ける人が欲しかった。会社の売上げを落としたくなかった」という実態が浮き彫りになった。
このほか、中には、金儲けのために、不法滞在者の弱みにつけ込み、正規滞在の外国人より賃金を安くしたり、給料を“ピンハネ”するなど悪質な雇用主もいた。
放置すると、犯罪グループとして急速に巨大化する危険性が潜む外国人の不法滞在・不法就労。捜査と抑止に対応するため、兵庫県警察本部は2024年1月、「外国人総合対策推進本部」を設置、不法滞在や不法就労の実態把握を進めている。
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