梅雨の季節。洗濯物を外に干すことができなくなり、部屋の中で干すことが増えますよね。そんなときに気になるのが『部屋干し臭』です。しばしば我々を悩ませるこの悪臭、実は家庭で原因をなくす方法があります。部屋干し臭の原因を突き止めた、愛知学院大学薬学部微生物学講座の河村好章教授に話を聞きました。
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部屋干し臭の原因となるのは「モラクセラ菌」と呼ばれる常在菌の一種で、人の生活環境においてどこにでも存在する菌です。菌自体が臭うのではなく「菌が皮脂を食べること」によって臭い物質を放つのだそう。
「モラクセラ菌は部屋干しによって発生するのではなく、常にいる菌です。梅雨の湿度の上昇によって繁殖し、臭いが発生するという仕組みになっています。洗濯しても菌は残っている状態のため、臭いに敏感な人は洗濯した後でもバスタオルが臭いと感じることもあると思います。」(河村教授)
この菌の厄介な点は「洗濯だけでは撃退できない」ということ。河村教授によると菌を死滅させる方法として有効なのは“熱”だそう。「衣類などに使用されている布の上では60度で99%死滅します。しかし、60度の熱ではしばらくすると匂いが復活することもあったため、80度まで到達させる実験を行いました。すると、臭いの原因となるモラクセラ菌を撃退できることが分かりました」と河村教授。
しかし、一般的な家庭で使用される洗濯機や乾燥機では、菌が存在する生地の中まで80度の熱を到達させることは難しいとのこと。家庭でできるモラクセラ菌を死滅させる方法としては、アイロンをかけることが挙げられると河村教授は話します。
「衣類の種類によっては使用することができませんが、アイロンで80度以上に加熱することでモラクセラ菌を死滅させることが可能です。他にも家庭にある乾燥機ではなく、コインランドリーに設置されているガス乾燥機であれば、衣類の内部が80度に達するため、菌の撃退に有効であると言えます」(河村教授)
また、洗濯カゴに衣類を入れっぱなしにしていると汗や湿気で菌が繁殖しやすい環境になるため、菌の繁殖の原因になるのだとか。これを抑えるためには、衣類をひとところに長く置かないことも大切だと河村教授はアドバイスしていました。
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ジメジメが鬱陶しい梅雨。少しでも快適に過ごすために、まずは部屋干し臭対策から試してみてもいいかもしれませんね!
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip火曜日』2024年7月2日放送回より