材料に使ったクレヨンを広めることが駆除の推進にもつながるのではないか、“厄介者”の価値を上げる=アップサイクルできるのではないかと動き始めた科学部生物班。今年5月には市内の駆除体験会に参加し、オオキンケイギクの生態系などに対する理解を深めました。
クレヨン作りでは、学校の周りにも多く生えているオオキンケイギクを駆除して原料に用います。まずはミキサーで粉末状に。そこにミツバチの分泌物であるミツロウや食用油を混ぜ、湯煎で溶かして液体になったら、太めのストローに流し込んで成形します。固まれば、オオキンケイギクの花の色が生きた黄色いクレヨンの完成です。
実際にそのクレヨンで絵を描いてみると色が非常に鮮やかで感動したと生徒たちは言います。科学部部長で生物班班長の3年生、浅井勇輝さんは「この活動を始めるまで『アップサイクル』という言葉を知らなかった。邪魔になったり捨てられたりするものも、こんな風に利用できることを知ってもらいたい」と話します。
同科学部生物班では、オオキンケイギクの黄色に加えて、コーヒーの残りかすを材料にした茶色、藍染めに使用するタデアイを用いた青みがかった緑色のクレヨンをこれまでに作ってきました(青緑色は、タデアイを使って藍染した際に出る搾りかすなどで藍色のクレヨンを作ろうと試作した際の副産物)。来年度以降には、品質の良いものを大量に製作し「祥雲アップサイクルクレヨン」として販売する予定とのこと。これからも高校生たちの研究は続いていきます
※ラジオ関西『Clip』2024年7月10日放送回「トコトン兵庫!」より