神戸を舞台とする一大歴史絵巻『楠公武者行列』 7年ぶりの開催決定 2025年5月25日実施 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

神戸を舞台とする一大歴史絵巻『楠公武者行列』 7年ぶりの開催決定 2025年5月25日実施

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 湊川神社(兵庫県神戸市中央区)を発着地とする「楠公武者行列」が7年ぶりに、2025(令和7)年5月25日に開催される。同神社内でこのほど行われた記者会見にて発表されたもので、先月6月に実行委員会(実行委員長:岡田榮介氏)が設置され、取り組みが本格的に始動した。

 楠公武者行列は、湊川神社創建から2年後の1874(明治7)年、神輿渡御に伴って始められた。後醍醐天皇が配流された隠岐から脱して京都へ向かう道中、同神社の祭神である楠木正成公が神戸の地で天皇をお迎えし京都まで先導した功績を称えて、正成公の命日である5月25日に行われているもの。

 新開地からハーバーランドまでの一帯を、正成公らに扮した騎馬武者の先導を受けて2基の神輿が進むさまは、まさに一大歴史絵巻。神戸の初夏の風物詩として親しまれ、かつては“みなと神戸の華”と称された。

楠木正成公に扮した井戸敏三兵庫県知事(当時)(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
楠木正成公に扮した井戸敏三兵庫県知事(当時)(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)

 特に「大楠公600年大祭」が執り行われた1935(昭和10)年には、3000人余りによる圧巻の行列が続き、神戸・灘から須磨間で2日間に分けて行われたほど大規模であったとされている。

(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)

 その後、1965(昭和40)年までは簡略化されつつ毎年実施されたが、地下鉄工事をはじめとする公共事業、そして1995(平成7)年の阪神・淡路大震災などにより一時中断。37年の間に2回のみ実現されたのち、2002(平成14)年以降は神社の節目などに5~6年置きで行われてきた。2018(平成30)年以来7年ぶりとなる今回は、コロナ禍の影響で間隔が空くこととなった。

(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)
(平成30年開催時記録写真、楠公武者行列実行委員会提供)

 実行委員会は、記者会見に参加した岡田同委員会実行委員長、小曽根佳生顧問、相談役の垣田宗彦湊川神社宮司のほか、副委員長十数人、委員二十数人、監査役など多数の世話人の就任が決定。今後、一般企業からも実行委員の輩出が予定されている。

 しかし、それら関係者や地元市民・企業の支えだけでは、運営は厳しいのが実情だという。垣田宮司は「京都の祇園祭や葵祭のように官民、ひいては産官学一体となり支えてくださればありがたい」と話した。

記者会見の様子 写真左から 小曽根佳生顧問、岡田榮介実行委員長、相談役の垣田宗彦湊川神社宮司(撮影・ラジオ関西)
記者会見の様子 写真左から 小曽根佳生顧問、岡田榮介実行委員長、相談役の垣田宗彦湊川神社宮司(撮影・ラジオ関西)

 来年2025年は大阪・関西万博も開催される。日本の歴史・伝統文化を神戸から国内外に紹介し、関西広域の活性化につなげたいところだ。

(取材・文=黒川良彦)

◆湊川神社 楠公祭御神幸「楠公武者行列」◆
開催日時:令和7年5月25日(日)午前10時湊川神社出発、午後1時半帰還予定
巡路:湊川神社→西元町→ハーバーランド→新開地→湊川公園→多聞通→湊川神社(総距離約5.12Km)
主催:楠公武者行列実行委員会 (実行委員長 岡田 榮介)

行列構成及び所役
◎行列区分 前陣武者行列・神幸列本社・神幸列甘南備神社
◎所役・総数 45所役と猿田彦関係、所役人数393名
・神輿…本社大神輿(台車奉曳)甘南備神社葱華輦(台車奉曳)
・騎馬(馬27頭)…武者22名・女房2名・神職2名
・人力車…稚児
◎特別ゲスト:大将・副将役等:行政・芸能・スポーツ関係者など(未定)

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