神戸市内にある学習塾が、子どもたちの学習意欲を向上させるためのユニークな取り組みを行っています。
自立学習塾「Orient!」(神戸市長田区)の入口に並べられているのは、定番や幼児向けなど約50種類のお菓子です。これらを授業前の時間に販売しています。
ただ、その購入方法に、学習意欲をそそるポイントがあります。そのまま現金での購入も可能ですが、子どもたちが同塾で宿題などの自主学習を20分以上すれば、「おかしパスポート」と呼ばれるカードにスタンプ1個がもらえます。次回以降、そのスタンプが20円分の金券となり、お菓子と交換することができるというものです。
自主学習でどんな勉強をしたかは同塾の代表を務める小川潤さんが確認し、学習の中でわからないところがあれば小川さんがサポートも。「おかしパスポート」は保護者の緊急連絡先などを提出するともらえるそうです。
小川さんがこの学習塾を開講したのは昨年(2023年)の2月。「生徒自身が自分の目標を定めて勉強し、私が生徒の目標設定や学習のサポートやアドバイスを行う、生徒主導のスタイルの学習塾としてスタートしました」。
ただし、子どもたちと関わるのは授業中がほとんど。授業以外の時間でも、たとえ塾生でなくても、気軽に楽しく勉強ができるような、地域に開かれた場所にしたいという思いが、小川さんにはありました。そこで今年6月から、授業の前の時間にお菓子を販売するとともに、教室を開放することにしました。
同塾ではお菓子のほかにも、小川さんが大学生の頃から集めたボードゲーム100種類以上を取り揃え、子どもたちが自由に遊ぶことが可能。10分程度で終わるパーティーゲームから、1時間以上かかるようなゲームまで、様々なものがあり、勉強をした後に遊ぶ子どもたちも多いのだとか。
「『おかしパスポート』を持って何度も通って勉強する子どもが少しずつ増えてきました。また、お菓子を買い求めに来た保護者から、子どもの勉強の仕方について相談を受けることも。目指す形に近づいてきました」と小川さんは言います。