丸谷市長は「こういう対話の場で地域の課題が出てくるが、それは行政だけで(解決)できることばかりではない」とした上で、「今年は“対話と共創の年”。対話でわかったさまざまな地域の課題を、産官学民の共創で(解決に向け)取り組んでいきたい」と話した。
その成果のひとつとして、市内各所に設けた「ひと涼みスポット」がある。公共施設や店舗など、冷房が効いた場所で一時的に過ごしてもらうことで、熱中症の予防だけでなく交流の場にもなる。「市内52か所に設けている。市民の皆さんだけでなく、市外から来られた方にもホッとしてもらいたい」
「コンパクトなまちの中に、海だけではなく里山があり、農地も広がっていて、農業用のため池もたくさんある。川もあって水で繋がる。そういう生態系、自然ができているのが明石の特徴」と話す丸谷市長は、市長就任前からため池の保全活動を始め環境問題にも取り組んできた。「(近年)冬のえさ場として、東播磨、明石のため池に、国の特別天然記念物で兵庫県の県鳥・コウノトリが飛来するようになった。ひとつのため池に20羽近くやって来ることも。豊かな自然があることを私たちに教えてくれている」と笑顔で語った。
日本標準時の基準となる東経135度の子午線が通る明石市は「時のまち」と呼ばれる。また「歴史のまち」でもあり、櫓や石垣が美しい築城400年の明石城や、大河ドラマ『光る君へ』で注目される『源氏物語』ゆかりの地も市内に残る。
さらに、明石だこ、明石鯛、あなごなど、全国に誇る特産品に恵まれた「食のまち」。地元では「玉子焼」の名で親しまれている明石焼の店は市内に70店舗ある。