身体にまつわる科学や最新の医療について、子どもたちに理解を深めてもらおうというイベントが、28日、神戸・ポートアイランドの神戸国際展示場で行われました。
“最先端の医療機器をみて、ふれて、楽しく、医療を学べる”親子体験型のイベントとして開催されたのは、『からだの科学体験 びっくりアドベンチャー~体のしくみと病気を知ろう~』です。
広い会場でひときわ目を引いたのは、日本初の国産手術ロボット「hinotori」。2020年12月に神戸大学医学部国際がん医療研究センターで最初の手術を行い、これまで国内で3000例の手術を行っています。
今回のイベントでは、多くの小中学生が「hinotori」のオペレーションを体験しました。神戸市在住の小学生は、「『hinotori』のアームが、指や手首と同じように動くので驚いた。練習用の輪ゴムがつかめたのでうれしかった」と語りました。
また、会場には大規模災害時に活躍する神戸大学病院のDMATカーも登場。ドクターカーとして災害現場で必要となる医療活動を行うため、薬剤などを搭載しており、1月に発生した能登半島地震の現場でも活躍しました。今回はユニフォームの着用や車内の見学が行われ、訪れた小学生からは担当者へ時に鋭い質問なども寄せられていました。
さらに、場内ではiPS細胞に関する展示や説明も実施。顕微鏡で生きているiPS細胞が観察できる貴重な機会となりました。
そのほか、同イベントでは、車いすを押す看護体験や、神戸市消防局による心肺蘇生トレーニングならびにAEDトレーニング体験、食べ物がのどに詰まったときの対処方法など緊急時の応急処置についての訓練も行われ、多くの小中学生が参加していました。
ちなみに、筆者も食べ物がのどにつまったときの対処方法を体験。みぞおち部分を勢いをもって押す動作を緊急時に行うことは難しく、訓練の重要性を実感しました。
神戸ロータリークラブ創立100周年記念事業「未来への贈り物~Well-beingでつながる100年プロジェクト~」として行われた、今回のイベント。同クラブの会長で、神戸大学学長・医学博士の藤澤正人さんは「医療産業都市をうたう神戸において、多くの小中学生が災害医療や最新の研究について、このような機会に学び、最新医療機器の操作を体験することで、医学を身近に感じてほしい。また、医療について考えるとともに、より優れた国産医療機器の開発者への人材育成につながれば」と語っていました。(天宮遥)