夏休み真っ盛りです。この時季は毎年、全国各地で恐竜が話題の的になります。今年もさまざまな展示や展覧会が人気を呼ぶ中、日本を代表する“恐竜のまち”の一つ、兵庫県丹波市にある丹波竜化石工房「ちーたんの館」(同市山南町)でも、夏季特別展「BIGs 〜丹波竜と竜脚類の進化〜」が開催中です。
ちーたんの館は、JR久下村駅から徒歩10分、JR谷川駅からタクシーで5分の距離にあります。
丹波市では2006年、同市山南町内の篠山層群から、地元の地学愛好家2人により恐竜の肋骨と尾椎の化石が発見されました。そして2014年に新属新種と判ったその恐竜に「タンバティタニス・アミキティアエ」という学名が付きました。以降、通称「丹波竜」として親しまれるこの巨大な植物食恐竜の存在から、丹波市は“恐竜のまち”として名を馳せています。
「ちーたん」は丹波竜をモチーフにしたキャラクターです。ちーたんの名の付いた同館では、恐竜の化石のクリーニング作業を行って発掘作業を推進するとともに、丹波竜の化石の展示などを通じた情報発信を行っています。
こちらで7月20日に始まった夏季特別展、テーマは「BIGs」です。そのテーマの通り地球上最も大きい陸上生物で、長い首と尻尾が特徴の“竜脚類”の秘密に迫っています。
同館に入ってすぐのところ、常設の丹波竜の全身骨格とともに出迎えてくれるのは、竜脚形類のカマラサウルス(幼体)です。約5割が実物化石のカマラサウルスの全身骨格を間近に眺めることができます。
1億4400万年以上前のジュラ紀から、6500万年前までの白亜紀にかけて生息した竜脚類は、全長20メートルを超える大きな体を持つ種類が多く、体重はなんと10トンにも及ぶとか。今回の展示ではその巨体を支えるための進化の過程、またそれほどまでに巨大化できた理由をひも解きます。
そんな竜脚類の巨体化の秘密のひとつが「体の軽量化」です。展示の中で見られる「オピストコエリカウディア」(白亜紀後期のモンゴルに生息、体長12~13メートル前後、体重10トン前後とも)の骨盤には、真ん中に大きな穴が開いていました。実際に手に持って化石の重さを感じたり、触ったりできるコーナーもあります。