アメリカ・カンザスシティで行われた「The Woman's Cup 2024」に出場したINAC神戸レオネッサは、1勝1敗(PK負け)で、4チーム中3位という成績に終わりました。
現地時間14日の1回戦、アトレティコ・マドリード・フェメニーノ(スペイン)との試合では、昨シーズンの主軸をベースに、新加入のスペイン人MFパオラ・ソルデヴィラ選手とFWカルロタ・スアレス選手が先発。前半、先に失点するも、終盤の82分に途中出場の新加入スペイン人DFカルラ・モレラ選手のゴールで1-1に追い付きます。しかし、PK戦で3選手が続けざまにGKのセーブにあい、PKスコア0-3で敗れました。
同17日の3位決定戦では、マメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)と対戦し、2-0と勝利。U-20日本女子代表GK大熊茜選手、ジャマイカ女子代表DFヴィアン・サンプソン選手、韓国人MFイ・スビン選手という新加入選手が新たに先発に名を連ねた一戦は、MF成宮唯選手が27分に先制点を決めると、75分にはFW愛川陽菜選手が追加点を記録し、クリーンシートで今シーズン初勝利を果たしました。
今大会では、2種登録されたばかりのINAC神戸テゾーロ(U-15)所属の2選手以外、全選手が渡米。新加入の外国籍5選手だけでなく、2種登録のINAC神戸レオンチーナ(U-18)の2選手もピッチに立つなど、多くの選手が出場機会を得ました。また、なでしこジャパン(日本女子代表)パリ五輪メンバーのDF守屋都弥選手も2試合連続で先発して元気なプレーを披露していました。
この2試合を動画配信でチェックした元なでしこジャパンDF川上直子氏は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、「遠征に行って1試合でも勝つという経験ができたのは、特に若い選手にとっては自信になる。2試合を通していろんな選手や組み合わせを試せたことはすごくよかったのでは。世界のレベルを肌で感じることができたのも大きい」と感想をコメント。
また、エースストライカーのなでしこFW田中美南選手が海外移籍となったなか、今大会でゴールを決めるなど、さらなる飛躍が期待される愛川選手については、「昨シーズンは悔しい思いもして、今シーズンにかける思いはあると思う。田中美南選手がいなくなって、『自分がやらないと』という思いもあるなか、一つ結果を出せたことは、すごく自信になったんじゃないかと思う」と述べていました。
さらに、川上氏は、クラブや選手個人のSNSに垣間見える新チームの雰囲気のよさにも着目。「(チームの日本人選手が)新加入の外国籍選手などとすごくコミュニケーションをとっているし、お互いを知る機会をたくさん作っているよう。(外国籍選手と)コミュニケーションをとるのはなかなか難しいものだが、そのあたりもうまくいきそうでは」と期待を込めていました。
ただし、「ここからあと2週間でWEリーグカップの開幕を迎えるが、その先発に誰が名前を連ねるのかが、またちょっと予想がつかない……」と吐露。川上氏が気がかりな点としてあげたのは、今月9日に海外移籍のため退団が決まったなでしこDF北川ひかる選手(※19日、新所属チームがスウェーデンのBKヘッケンに決定)の穴をいかに埋めるかというもので、「左の翼がいなくなったが、今回の遠征2試合を見たなかでも、左の翼が課題かなと思えた。スピードがあって、自分で突破できるような選手が望まれる」と、オンエアを通じて指摘していました。