フィリピン共和国は、大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)に、自前で建設する「タイプA」のパビリオンを出展する。今夏、その概要が発表された。
テーマは「Woven(織りなす)」。フィリピン伝統の織物をモチーフにしつつ、よりよい未来を織りなす、という意味を込めた。そして、 「自然、文化、コミュニティ より良い未来のために女性たちが共に」をコンセプトとしている。
フィリピンは約7000の島々から成り立つ多民族国家。多くの少数民族が多様性に富んだ生活文化を継承しているが、工芸品について、 海外ではほとんど知られていない。
外観(ファザード)デザインを担当するのはフィリピンの若手建築家、カルロ・カルマ氏。
デザインは、多様性社会での人とのつながりや、自然との調和を強調することを目的としている。「アートと建築の融合という、私のテーマの表現でもある」と抱負を語る。
ファザードは、セブ島で製作したラタン(籐 / とう)を編み込んだ。また、外壁にはフィリピン各地の212もの手織物がパネルにして展示され、伝統舞踊などライブパフォーマンスを行うための舞台も設ける。
さらに、建物の中では18の地域の織物を集めた「アートの森」をめぐる体験もできる。
クリスティーナ・ガルシア・フラスコ フィリピン政府代表は、「万博への参加はフィリピンの自然の美しさや歴史、遺産、それに文化などを示すことにつながる。パビリオンはフィリピンを好きになるきっかけをたくさん見つけられる」と話した。
■Architecture Walkthrough(C)Philippine Pavilion / Carlo Calma Consultancy
■Woven Concept Film (C)Philippine Pavilion