日々情報に追われ、あわただしい昨今の世の中。最近は、費やした時間に対して得られる満足度の相対性を意味する言葉「タイパ(タイムパフォーマンス)」が流布し、ますます時間が足りない世の中となってきている。
ラジオ関西(兵庫県神戸市)の番組『Clip』では、「人生に寄り道は必要?」というテーマでさまざまな意見を募集した。
結果的に、リスナーから寄せられた意見は「人生に寄り道は必要」という声が多かった。
リスナーのズバすけさんからは、「深いテーマですね。寄り道せずにうまく物事が進めば言うことはないので、必要かどうかといわれれば『なくても良い』」という意見が。
しかし、メッセージには「寄り道をすることによって得られる出会いや気づきが不要か、といわれればそういうこともない。特に、煮詰まったときには一休さんのように『あわてない、あわてない。一休み、一休み』と気分転換の寄り道をすると、さっきまでの停滞が嘘のようにスムーズに進むことが多いです。その寄り道には必ずなにか意味があると思います」ともつづられていた。
番組パーソナリティーの清水健(フリーアナウンサー)は、ズバすけさんのメッセージに共感。「自分が選んだ道を正解にしていきたい。やっているとき・向かっているときは、寄り道をしようと思っているわけではないかもしれない。でも、あとあと考えたときに『この寄り道、絶対意味があったよな』と思えるように、自分の選んだ道を正解にしていきたい」と話した。
「寄り道が必要」というメッセージが多く寄せられるなか、w&sさんからは「(寄り道が)必要かどうかはわからないですが、寄り道はないんじゃないのかなと思います」という意見が寄せられた。なんでも、「寄り道だと思っていても、どんなことでもその人にとっては大切なことなんじゃないかな、と人生終盤になって思います」とのこと。
この意見に、清水は「寄り道していても、寄り道ではない。通る道なんですよ! 通るべき道だったと考えればそれは良いことですよね」と新たな知見を得たようにコメント。同パーソナリティーの絵本作家・夏きこも共感を示し、「地図を持って人生を歩いているわけじゃないですからね」とコメントした。
続けて、夏から「獣道が見えた場合、どうします?」と尋ねられた清水。「(獣道を)避けます。あえてしんどい道には行かない。通らなくてはならなくて、結果的に獣道だった場合は『その獣道は意味があったんだろうな』と思える自分でいたいです」と、人生における心意気を明かした。
番組後半、今回のテーマに対し、清水は自身がよく登る“金剛山”を例に出し、「(金剛山には)“険しいけど近い道”、“緩やかだけど遠回りの道”の看板があります。どっちを選ぶか考えさせられるんですが、どっちが正解でもないんです。選んだほうが自分の正解やから」と本テーマの結論を結んだ。
※ラジオ関西『Clip木曜日』内「もしもの未来」2024年8月22日放送回より