すごろくも必見だ。「少女倶楽部」の付録「少女幸福双六」は、少女が洗濯(なぜか川で)や裁縫、小さい子のお守り、勉強などに精を出し、コマが進んでいく。「婦人世界」付録の「家庭教育双六」は、模範となる心がけを行った結果、“アガリ”の結婚に至るという、女性を取り巻いていた一般的な価値観が分かるコマ構成となっている。
一方、「主婦之友」の「女子スポーツ双六」には、テニスやバスケットボール、水泳などに本格的に取り組む女性の姿を描画。アクティブなポーズもあり、従属的だった女性たちの意識が変化していく兆しのような印象を受ける。
そのほか、石けんや生理用品、薬、菓子などのパッケージ、雑誌表紙やレコードジャケットなど、見どころは多岐にわたる。展示を担当した同館の服部麻衣学芸員は「明治から大正、昭和にかけて、女性たちは家庭内から外へと活動の範囲を広げていった。その頃の、華やかでワクワクした感覚を味わってもらえたら。会場に足を運び、ぜひお気に入りの一品を見つけてほしいです」と話した。
◆企画展「レトロ・ロマン・モダン、乙女のくらし」
会場 大阪くらしの今昔館(大阪市立住まいのミュージアム) 〒530-0041 大阪市北区天神橋6丁目4-20
会期 2024年7月13日(土)~10月14日(月・祝)
休館日 火曜と9月6日(金)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 企画展のみ500円、常設展+企画展 一般1000円、高大生700円
問い合わせ 同館06-6242-1170