元なでしこジャパン(日本女子代表)FW大野忍氏が、女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサでヤングディベロップメントコーチに就任することが、9日に発表されました。クラブによると、トップチームからアカデミー、スクールまで幅広く巡回指導を行うとのことです。
大野さんは、日テレ・ベレーザ(現、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の黄金期を築いた1人で、2011年からは澤穂希さんらとともにINAC神戸へ移籍し、チームに数々のタイトルをもたらしました。その後はリヨン(フランス)、ASエルフェン埼玉(現、ちふれASエルフェン埼玉)、アーセナル(イングランド)を渡り歩き、2015年にINAC神戸へ復帰。その後、2019年に、2シーズン過ごしたノジマステラ神奈川相模原で現役を引退しました。なでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)では3度のMVP、4度の得点王など、輝かしい実績を残しています。
また、なでしこジャパンでは2011年の女子ワールドカップ優勝や2012年のロンドンオリンピック銀メダルなどに貢献。139試合出場40得点を記録しています。
指導者としては、INAC東京テクニカルコーチや、WEリーグ・大宮アルディージャVENTUSコーチ、スペランツァ大阪(なでしこリーグ1部)トップチームヘッドコーチを経て、昨年10月から今年8月までスペランツァ大阪トップチームの監督を務めていました。
大野さんはINAC神戸の広報を通じてコメントを発表。「7年ぶりに、INAC神戸レオネッサのコーチングスタッフの一員として戻ってこれたことをうれしく思います。優勝を目指すトップチームに貢献するのはもちろん、そのトップチームを目指すアカデミー選手、スクールに通う子どもたちにもこれまでの経験を伝えていけたらと思います。今回のオファーをくれた安本(卓史)さん(取締役チーム統括本部長)はじめ、クラブ関係者の方々に心より感謝申し上げます。スポンサー、ファン・サポーターなどINAC神戸に関わる全ての皆さま、これからどうぞよろしくお願いします」と意気込みを述べています。
大野さんとかつてベレーザやなでしこジャパンで一緒にプレーした経験を持つ川上直子氏は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)9月9日の生放送で大野さんについて触れ、「(現役のときは)バリバリのわがままFWだったが、本人はもう大人だし、A級ライセンス(日本サッカー協会公認A級コーチジェネラル)を持つ指導者。得点王も取った経験を持つ選手なので、若手選手らは、身体の使い方など、たくさん聞くことができると思う。まだ身体も動くんじゃないかなと思うので、そのプレーを見たら、トップチームやアカデミーなど、若い子たちはすごく喜ぶのでは」と、ストライカーとして卓越した技術を持つ大野さんの指導に期待していました。