――開発の際に苦労したことは?
【桒田さん】 歯の位置や足を引っかける鼻緒など、理論的に効果が求められる形でも実際に履いてみると履き心地が違ったりと、理想とのギャップをなくすためのミリ単位の形状調整には苦労しています。
――どのような商品を開発している?
【桒田さん】 ウォーキングに特化している一本歯下駄では、現代人の歩き方に合わせてより理想的な歩き方になるよう設計されています。また、足指がカーブするようにも作られており、歩きやすさも兼ね備えているので、犬の散歩の際に使用する方もいらっしゃいます。
自転車に特化した商品では、ペダルを踏む前足部に歯があることでより運転しやすくなっているため、アスリートだけでなく、趣味でサイクリングを楽しんでいる人にも使っていただいています。
そのほかにも、さまざまなシーンに合わせて開発しており、現在約20種類の商品があります。

――今後、どのような商品を開発していきたい?
【桒田さん】 下駄に内蔵したチップをアプリと連動させて、自分がどのように歩いているのか・どのように歩くのが正しいのかを可視化できるようにできればと考えており、現在開発中です。
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現在も、多種多様な商品の開発が進められている一本歯下駄。桒田さんは、「伝統産業である一本歯下駄は、多くの人に履いてもらうことで職人さんなど多くの人の支えにもなる。社会全体が少しでも前進できるように、これからも一本歯下駄を使って笑顔を作っていきたい」と話します。
伝統産業と現代のニーズをマッチさせた商品の今後から目が離せません。