スマホかざすだけで情報取得できるワッペン!高度な‟刺しゅう”技術生かし防災に一役 神戸の老舗企業 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

スマホかざすだけで情報取得できるワッペン!高度な‟刺しゅう”技術生かし防災に一役 神戸の老舗企業

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 兵庫県神戸市にある老舗の刺しゅう会社が、その高度な技術とアイデアを生かして新たな分野を開拓しています。海外でのコミュニケーションや防災にも一役買うアイテムを送り出しているとのこと。経営者に詳しく聞きました。

刺繍を施す様子

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 神戸市長田区で創業92年を迎えた金川刺繍株式会社。代表取締役の金川誠司さんによると、かつては神戸の子供服・高級婦人服など幅広く手掛けていましたが、阪神・淡路大震災をきっかけに個人からの注文をメインに取り扱いを始めたそうです。

 金川さんは今の仕事に就いたきっかけについて、「祖父の代から家業として刺しゅう業を営んでいました。父も自分も、長男としていずれ家業を継ぐものだと思っていました」と話し、「中学生の頃からベースをしたり、水泳でジュニアオリンピックメンバーのコーチをしたりしていましたが、刺しゅう職人が一番、性に合っていました」と明かしました。

 同社はその技術力の高さから、なんと木に刺しゅうするといった依頼も受けたことがあるそう。「神戸商工会議所からの依頼でした。木でできた名刺に刺しゅうしてほしいという要望で、宮大工さんが削った薄さ0.5ミリのかんなくずに川崎(博也)会頭の似顔絵を刺しゅうしました。木に刺しゅうしたのは初めてで、布の生地に比べて数十倍は手間がかかりました。今年の夏、会頭が経済交流のためベトナムに訪れたときに現地の方に手渡したそうで、国際交流に一役買ったと喜ばれています」(金川さん)

似顔絵が刺繍された、厚さ0.5mmの木でできた名刺
似顔絵が刺繍された、厚さ0.5mmの木でできた名刺

 金川さんは、更に新しいことにも挑戦しています。今年の1月に実用新案と商標登録を受けた刺しゅうワッペン「こねっくと」は、NFCタグ(近距離無線通信技術を使った非接触ICチップを搭載したタグ)が入っており、スマートフォンをかざすことでSNSやホームページを開いたり、電話を掛けたりすることができる商品。雨や水に濡れても大丈夫なため、防災グッズとして利用してほしい思いがあるのだそうです。

 スマートフォンの扱いに慣れていない人でも、かざすだけで簡単に情報を取得できるので、連絡先の交換や情報共有が簡単に行えるのだとか。刺しゅうデザインも自由に注文することができることから、企業PRなどにも利用可能と見込んでいるとのこと。

タッチでつながる刺繍ワッペン『こねっくと』

 伝統の技術に新たなアイデアを融合させた商品は、防災に留まらない幅広い分野での活用が期待できそうです。

金川刺繍株式会社・代表取締役の金川誠司さん(写真中央)と番組パーソナリティーを務めるワタナベフラワーの3人

※ラジオ関西『Clip』2024年10月9日放送回より

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