特筆すべきは第4章「アメリカの印象派」。とりわけジョゼフ・H・グリーンウッドの2作品が目を引く。ウスター近郊の田園風景を明るいトーンで描いた「リンゴ園」(1903年、ウスター美術館蔵)、厳しい雪景色を陽光が照らす「雪どけ」(1918年、同)は、柔らかくかすれるような筆遣いで、鮮やかに春の光を表現した傑作だ。ウスター美術館から同展に寄せられた「出品するアメリカ絵画の多くはニューイングランドの美しい自然を描いた風景画で(中略)これらの作品はウスター美術館から皆様への使者であり、遠く離れた私たちの風景を眺めていただく窓でもある」とのメッセージとともに、細部までじっくりと味わいたい。
展示を担当した新谷式子学芸員は「これまであまり紹介されることがなかったアメリカの印象派作品に触れることができ、印象派の多様で豊かな広がりが分かる構成になっている。作品を見比べるなどして楽しんでほしい」と話した。
◆「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」
会場 あべのハルカス美術館
(〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階)
会期 2024年10月12日(土)~2025年1月5日(日)
開館時間 火~金/10:00~20:00、月土日祝/10:00~18:00
※いずれの日も入館は閉館の30分前まで。
休館日 12月31日(火)、1月1日(水・祝)
観覧料 一般2000円、高大生1600円、小中生500円(以上、税込)
問い合わせ あべのハルカス美術館、電話06-4399-9050