《六代目山口組系組員銃撃事件》全面否認の山健組組長、無罪判決「犯人と断定するには合理的疑い」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《六代目山口組系組員銃撃事件》全面否認の山健組組長、無罪判決「犯人と断定するには合理的疑い」

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 特定抗争指定暴力団「六代目山口組」の中核組織「弘道会」の神戸市内にある施設前で2019年、弘道会系組員が銃撃され、殺人未遂と銃刀法違反の罪に問われた「山健組」組長・中田浩司被告(65)の裁判員裁判で、神戸地裁は31日、無罪(求刑・懲役20年)を言い渡した。

判決言い渡し前の神戸地裁・法廷<2024年10月31日午前 ※代表撮影>

 中田被告は全面的に否認、「全て間違っている。私は犯人ではない」と主張していた。

 事件をめぐっては、凶器など直接結びつける証拠がなく、裁判の争点は被告が犯人かどうか(犯人性の有無)だった。

 中田被告は2019年8月21日午後6時すぎ、神戸市中央区の弘道会関連施設前で、軽乗用車の運転席にいた弘道会系組員(50代)に向かって拳銃で実弾6発を発砲、このうち5発を腹や肩に命中させ、殺害しようとしたとされる。組員は全治6か月の重傷を負った。
 
 検察側は論告で、防犯カメラの人物と、当日の被告の服装が一致していたなどと指摘し「全ての証拠を総合的にみると犯人だと合理的に推認できる」と主張していた。

 一方、弁護側は防犯カメラ映像は不鮮明で、被告かどうか分からないとし「目撃証言などの客観的な証拠が全くない」と反論していた。

 10月11日の第3回公判で行われた被告人質問で、中田被告は「すべて黙秘権を行使します」ど述べ、検察官、裁判員、裁判官の計20件の質問に一切応じなかった。

 丸田顕裁判長は判決で、防犯カメラの人物と被告は同じブランドの服を着ていたが「流通量が多く、被告本人とは断定できない」とした。「中田被告が犯人であると断定するには、合理的な疑いが残る」などとして、防犯カメラに映っていた犯人が被告だとする検察の主張を退けた。

 山健組は、2015年8月の山口組分裂で結成された特定抗争指定暴力団「神戸山口組」の中核団体だったが、のちに組長ら一部が六代目山口組に復帰している。

 2019年に起きた「2つの山口組」による一連の抗争事件は同年4月に始まり、11月の神戸山口組直系組長射殺事件に発展するまで4件発生した。「2つの山口組」が特定抗争指定暴力団となる契機ともなった。

LINEで送る

関連記事