10月下旬~12月上旬は旧暦の10月をさし「神無月」と呼ばれます。なぜかというと、この期間は全国の八百万の神々が“ひと所”に集合する月だそう。よって、それ以外の土地は神様が不在になる……「神が居ない月=神無月」なのだとか。では、神々はどこに集まっているのでしょうか? その場所こそが島根県の出雲国なのです。そのため、出雲地方では神無月ではなく「神在月」と言います。島根県は縁結びや招福の社・出雲大社を要する出雲地区が着目されがちですが、今回筆者がフォーカスしたのは県西部にあるエリア。“島根半島最西端”の日御碕地区です。
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日御碕の見どころといえば、断崖にそびえる「出雲日御碕灯台」。1903年(明治36年)に設置され、海面から灯塔の灯火までは63.30m。地面から塔頂まで(塔高)が43.65mあり、石造りの灯台としては日本一の高さを誇ります。この灯台でともされる光は、夜間は約40km沖合まで達し、建設から100年を越えた今なお現役で海の安全を守っています。出雲日御碕灯台に登ると目の前には青い海が広がります。とくに見頃なのは冬。激しく波しぶきをあげる、荒々しくも美しい日本海の様子が見られます。
出雲国は「日が沈む聖地出雲」として日本遺産に登録されるほど夕日に縁の深い場所で、中でも日御碕地区は夕日の絶景地で有名。上の宮「神の宮」と下の宮「日沉宮(ひしずみのみや)」の両本社を総称した「日御碕神社」と呼ばれる、夕日にちなんだ神社を要します。伊勢神宮が「日の本の昼を司る」のに対し、日御碕神社は「日の本の夜を司る」とされています。出雲大社に並び注目されるパワースポットです。
「日御碕神社」の境外に出て港の方に行くと、日御碕灯台の看板があります。そして、灯台の方向に少し進むと、日本海沖100mほどの場所に「経島(ふみしま)」が見えてきます。経島は「日沈宮」が元来あった場所。日御碕神社の神域とされており、一般の立ち入りは禁止となっています。年にいちど、8月7日の例祭の時のみ神職だけがその島に舟で渡ることができるのだとか。また、ウミネコの繁殖地としても有名で国の天然記念物に指定されています。毎年11月下旬から冬にかけて約5000羽ものウミネコが飛来します。
令和6年7月、豪雨で道路が崩壊し、一時孤立状態になった島根県出雲市・日御碕地区。現在は仮設道が設置され、大型車両を除く一般車両の通行が可能となり観光客の自由な往来が再開されました。これにともない、県は日御碕地区の宿泊施設での宿泊割引や飲食・土産品等で使えるお得なクーポン券を販売。同地域を再活性化するための「出雲日御碕観光応援キャンペーン」を実施しています(令和6年11月1日~令和7年3月31日まで)。
出雲大社参拝だけでなく、少し足を延ばして日御碕に訪れてみるのもいいかもしれません。
【宿で特典】
日御碕地区の10軒の宿泊施設利用で
1泊3000円の特典あり(割引もしくはプレゼント)。
【まちあるきクーポン】
1500円のクーポンを1000円で販売。一人につき一回最大10冊まで購入可能。クーポンは地区内の20施設で買い物や食事に利用可能。詳しくは、上部リンクから観光協会ホームページにて確認を。