桃太郎が生まれてからしばらくしたある日、漁師が釣った鯛のお腹から大きな桃の種が出てきたそう。その種から誕生したのが、なんと! 桃太郎の妹で、名は「お桃」。
そこからいろいろな展開があり、ひょんなところで兄の桃太郎と再会。ああだこうだ、すったもんだありながら、最後はめでたしめでたしとなるわけです。
以上が、日本昔ばなし「桃太郎」のスピンオフ作品。非常におもしろい作品なので、この本を読んだ人が子どもを寝かしつけるときなどに従来の桃太郎と同じように語り聞かせ、語り継がれたのではないでしょうか。
この本が出版されたのが大正3年のことなので、昔ばなしといえば昔ばなしですもんね。
この物語を聞いた子どもが「桃太郎には妹がいる」と思い込んで、そしてまた次の世代の子どもたちへと伝えていった可能性は大いにあるなあ、と思いましたとさ……。めでたしめでたし。
※相馬泰三著『桃太郎の妹』は、国立国会図書館のデジタルコレクションでの閲覧が可能です。
※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年11月2日放送回より
(『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)