兵庫県西宮市出身で、現在は神戸在住のプロゴルファー・大堀裕次郎選手(32)が、ラジオ関西の番組にゲスト出演し、ゴルフとの出会いやプロゴルファーとしての苦悩、そしてイップスを克服した経験について語りました。
大堀選手がゴルフを始めたのは、小学3年生の頃。兄が通っていた名門ゴルフスクール「坂田塾」に入塾したことがきっかけです。坂田塾での練習は非常に厳しく、平日は学校から帰るとすぐに練習場に向かい、午後9時まで毎日500球を打ち込むという日々を送ったそう。そのため、手にはいつもマメができていたといいます。休みは年始の1月1日のみで、ゴルフに捧げた時間はとても長かったと話していました。
ゴルフに没頭する一方で、他のスポーツにも興味を持っていた大堀選手は、中学時代にバスケットボール部に入部。しかし、その1週間後にはバスケ部の監督から「そんな生半可な気持ちでやられたら困る。バスケやるんか、ゴルフやるんか、どっちかにしろ」と言われ、1週間でバスケを辞めることに。大堀選手はゴルフ一筋の道を選びます。
2007年、高校1年生のとき、同い年の石川遼選手らとともにチームジャパン・ジュニアに選ばれた逸材は、2013年の大阪学院大学4年生のときに日本アマチュア選手権と関西アマチュアゴルフ選手権で優勝。同年の12月からツアープレーヤーに転向し、プロゴルファーとして歩み始めます。
ただし、順調に思えたゴルファーとしてのキャリアにも、試練の時期が。2019年から約2年間、大堀選手は心理的な原因でスイングに支障をきたす症状、いわゆるイップスに悩まされました。練習では問題なく打てても、試合では「怖さ」が先立ち、思うようにプレーできない状況が続いたと振り返ります。大堀選手は「試合で結果を求めすぎるあまり、小手先での調整に頼るようになり、スイングが崩れていった」と当時の心境を明かしました。
まるで機械の歯車がかみ合わなくなるように、スムーズだったはずの動きが突然うまくいかなくなる、イップス。プロゴルファーの世界では、そのイップスに悩む選手は少なくなく、その克服には時間がかかることが多いよう。大堀選手もさまざまなアドバイスを受けたものの、逆にその情報に混乱し、状況がさらに悪化したこともあったそうです。
しかし、その困難を乗り越え、大堀選手はイップスを克服。再び強いメンタルで競技に立ち向かい、復活を遂げました。この経験から、ゴルフを楽しむことの重要性を再認識し、ジュニアゴルファーに向けて、「スコアにこだわりすぎず、まずはゴルフを楽しむこと」「大きなゴルフを目指すこと」が最も大切だと伝えています。
「ゴルフは何歳まで続けたいですか?」という質問に、「できるだけ長く続けたい」と即答した大堀選手。同学年には石川選手、松山英樹選手といったスター選手たちが名を連ねますが、「実績ではここからなかなか勝つことできないんで、それより1年、2人よりも長くやりたいですね」と抱負を述べました。
大堀選手の現在の目標は、「今シーズン中に初優勝を達成すること」。最近の成績は着実に向上しており、特に木曜日と金曜日のラウンドでは好調を維持しています。ただし、土日になると成績が安定せず、その部分に課題を感じているとのこと。「もしこの課題を克服できれば、優勝も見えてくる」と前を向いていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴の ええやんカー! やってみよう!!』2024年11月4日放送回より