前知事の失職に伴う兵庫県知事選は17日、投開票が行われ、再選を目指した前職・斎藤元彦氏が、有力候補として無所属で出馬した前尼崎市長・稲村和美氏(52)ら6人を下して当選した。
知事選の投票率は55.65%。前回(2021年7月)を14.55ポイント上回った。
稲村氏と、再選を目指す斎藤氏が競り合う展開とされていたが、SNSなどで“空中戦”が繰り広げられた知事選。
斎藤氏は、「失職直後は“無所属・ひとり”で、本当にひとりぼっちだった。しかし日に日に応援してくださる輪が広がり、心強かった。SNSは、誹謗中傷などの悪い面もあるが、良い面は社会でのつながりや連帯を作る大事なツールだ。多くの情報があふれている時代だからこそ、しっかりと情報を選択していただきたい」と話した。
稲村氏は、「失職した知事や候補者の資質を問うというより、何と向き合っているか、何を信じるかということが大きなテーマになった選挙だと感じた」と振り返った。
斎藤氏に投票した西宮市の40代男性は、「前知事だけあって、知名度があったのは大きい。議会に悪者扱いされていた側面があったかも知れないが、私は一連の問題よりも、40代という若さと、財政の立て直しという実績を評価した。道半ばより、やはり達成してほしかった」と理由を語った。
別候補に投票した神戸市灘区の30代男性は、「パワハラ問題をめぐって、堂々めぐりの受け答えしかしなかった斎藤氏は、結局何が言いたかったのかわからなかった。少なからず県政の停滞があったから紛糾したと理解している。SNSを駆使して選挙を戦うことも、何でもありではない。世代も広いのだから」と厳しい。