リニューアル工事が進む神戸・三宮の地下街「さんちか」1番街に、来春、同地下街で初となる駅直結型の食品スーパーが誕生することがこのほど分かった。関東で知名度が高い高級スーパー「紀ノ国屋」と「ライフ」がプロデュースする自然派スーパー「ビオラル」の2店で、通勤客らをターゲットにいずれも総菜販売に力を入れる方針。開業は2025年3月27日(木)。
1番街は、さんちかの北の玄関口「夢広場」の北側に広がるエリア。両店は、神戸市営地下鉄西神・山手線三宮駅と夢広場をつなぐ新通路(12月1日開通予定)の西側に並んで展開する。紀ノ国屋は神戸市内で、ビオラルは兵庫県内で初出店となる。
紀ノ国屋が手掛ける「紀ノ国屋アントレ」は新通路沿い西側に店舗を配置。店内に厨房を設けて兵庫県産の食材を使った作りたての総菜や地元企業と協業して開発したオリジナル商品などを販売する。
「ビオラル」は、近畿や首都圏に店舗を持つ大手スーパーマーケット「ライフ」が手掛ける、オーガニック商品などを扱うナチュラルスーパーマーケット。紀ノ国屋アントレの西隣に開店し、有機原料を使った総菜を提供。対面の総菜コーナーも設ける。
さんちかは1965年10月にオープン。JRや阪急、阪神、神戸市営地下鉄、ポートライナーなど6駅をつなぎ、1日の通行者数は約15万人に上る。地下街の改装は、三宮再整備の一環で、神戸市とさんちかの運営会社「神戸地下街」が共同で行っている。1番街と2番街は2022年4月からリニューアル工事を開始。2番街は今年2月、先に新装開業した。2番街はスイーツ店やカフェ、生花店、雑貨店などが並ぶ。
1番街リニューアルをPRするキャッチコピーは「おうちごはんを、乗り換えよう。」。神戸市都市局都市計画課の担当者は「リニューアルによって、さんちかは、神戸の玄関口としてよりふさわしい空間になりつつある。たくさんの人にさまざまなお店を楽しんでもらい、三宮全体のさらなるにぎわいにつながれば」と期待を寄せている。