桜色に薄い紫、うぐいす色や深紅など、リングの上に設けられた遊歩道(高さ12m)では、開催期間中の二十四節気を表現した色が点灯される。数分ごとに足元を流れ星のように光が走り、趣向を凝らしたライトアップが披露された。
大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会によると、年内にはエレベーターやエスカレーターの設置が終わり、屋上の植栽も整えられる。来年(2025年)2月に完成、4月13日の開幕を迎える。
藤本氏のほか、照明デザインディレクターを務める照明デザイナーの東海林(しょうじ)弘靖氏も参加し、照明が正常に作動するかを確認した。「コンセプトは『新しい夜』。単に明るさを求めるのではなく、人や生物、地球環境が持続可能であるために、貴重なエネルギーに感謝しながら、丁寧に光の環境を創造しなければならない」と訴える。
そして「それぞれの季節のシンボルとなるような色合いをふんだんに使った。優しい光から万博のテーマ『命かがやく未来社会のデザイン』を感じていただければ。また、昼から夜にかけての会場全体の色の変化に注目してほしい」と話す。
会場デザインプロデューサーの藤本壮介氏は「1970年の大阪万博とは大きく異なり、持続可能な社会、自然との共生、多様性の尊重が重要になっている。木造建築は世界的にも注目されている。このリングだけではなく、イタリアやチェコ、アイルランドのパビリオンも木材を基調としている。昼だけでなく夜も、リングが大きなゲートとして来場者を迎え入れてくれる。そして、パビリオンも含めた夜の風景も楽しみ、会場を後にする時、何度も振り返りたくなるような美しいライトアップになっている。」と話した。
開幕後、リングの点灯は日没~22時(期間中の開場時間は9時~22時)。
■「大屋根リング」試験点灯(ほぼ真上からの撮影)※映像提供・日本国際博覧会協会
■「大屋根リング」試験点灯(遠方からの撮影)※映像提供・日本国際博覧会協会