「鳥肌はよく知られた感情反応でありながら、感情に伴う生理反応の中でも安定して再現することが難しいという特徴があります。感動や恐怖で鳥肌が出るという経験は、研究者が引き起こそうとしてもそう簡単に起こるものではないのです。そのため、例えば鳥肌が立っている時の脳の活動を調べるためにMRIのような機械で検査する方法を考えたとしても、膨大な時間がかかってしまうのです」(片平准教授)
そんな片平准教授ですが、現在は「意図的に鳥肌を立たせられる人」を集めて、鳥肌が立つ時に脳がどう反応するかを研究しているとのこと。片平准教授のこれまでの研究では意図的に鳥肌を立てられる人が人口の約0.5%存在することがわかっており、片平准教授もその一人なのだとか。
「鳥肌が立つことと感動が人間の脳の中でどう結びついているのか仕組みが解明できれば、感動とはどのような反応なのかを明らかにすることができるかもしれません」(片平准教授)
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愛知で鳥肌研究を行う片平准教授。鳥肌のメカニズム解明に向けた同志を募っている最中なのだとか。「様々な状況で鳥肌が立ちやすくて困る」「特定の音楽や映画で鳥肌が決まって立つ」「自由自在に鳥肌が立てられる」という人は大歓迎とのことです。心当たりがあれば参加してみるとおもしろいかもしれません。
(取材・文=宮田智也)