兵庫県加古川市で2007年10月、小学2年の女児(当時7歳)が刃物で刺され殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された勝田州彦容疑者(45)が、逮捕前の任意聴取に「好みの女の子を物色して刺した」という趣旨の供述をしていたことが、捜査関係者への取材でわかった。
神戸地検は11日、勝田容疑者を鑑定留置とした。
勝田容疑者は2007年10月16日午後6時ごろ、加古川市別府町新野辺にあった女児の自宅前の路地で、女児の胸や腹を刃物で刺し、失血死させた疑いが持たれている。
逮捕後、「黙秘します」と話しているという。
勝田容疑者は2004年、岡山県津山市の女児殺害事件で服役中だった。兵庫県警の捜査員が今年5月に接触、任意聴取していた。
2006年に兵庫県たつの市で起きた女児殺人未遂事件と、加古川市の女子殺害事件の関与を認め逮捕され、2件の未解決事件は急展開した。
凶器を片刃ナイフの薄刃である可能性が高いとした。その根拠として、「被害者の損傷形態と刃物の形状が変わらない」ことを挙げた。
現時点では、刃物は見つかっていないが、
女児の負傷状況などと勝田容疑者の供述に矛盾がないことから殺意を認定した。
捜査関係者によると、「(別の)服を準備して犯行現場に行った。犯行後、着替えて逃げた」という趣旨の供述をしたことも判明。女児を襲ってから変装して逃走を図ったか、服に付く痕跡を隠そうとした可能性もあるという。
さらに「防犯カメラが少ない場所を選び、ナイフは事前にホームセンターで購入した」とも供述したという。
勝田容疑者が逮捕後に黙秘に転じたことにより、任意聴取での供述の信用性が、公判で大きな影響を与えるため、動機などの詳細を詰めるため、裏付け捜査を進める。
神戸地検は勝田容疑者の犯行時の精神状態などを調べるため、起訴前の精神鑑定が必要と判断、神戸地裁に申請して認められ、11日から鑑定留置とした。
期限は2025年3月14日まで。