YouTube再生回数は1億4千回にも上り、2024年を代表する曲となった、こっちのけんと『はいよろこんで』。同曲のミュージックビデオ作者・かねひさ和哉さんが、このたび、ラジオ番組に出演。ギリギリダンス旋風を巻き起こした、昭和テイストのアニメーションを作成するに至った秘話などについて語った。
かねひささんは、2001年生まれの23歳。タイムマシーンで昭和からやってきたのかと思わせるアンティークなファッションに身を包み、トレンチコートとハンチング帽がトレードマークだ。自身が制作するアニメーションも、昭和30年代のテレビアニメを彷彿とさせるものが多い。
2000年代生まれのかねひささんが昭和アニメと出会ったのは、4歳ごろ。テレビ番組での“懐かしのアニメ特集”が初めての出会いだった。「鉄腕アトム」の白黒映像に心を奪われたかねひささんは、買ってもらったクレヨンのグレーを中心に白黒の絵を描くようになったという。
アニメーション制作は、2022年から開始。YouTubeで作品を発表すると大きな反響があり、作品のファンだったこっちのけんとさんから直接オファーを受けたことでミュージックビデオ制作へとつながった。
楽曲『はいよろこんで』を聴いた瞬間、次々にイメージが浮かび、ミュージックビデオは1週間ほどで完成したのだとか。
こっちのけんとさんは、2024年のレコード大賞最優秀新人賞に選ばれたほか、NHK紅白歌合戦にも出場。このことについて、かねひささんは「自分の作品が1つの曲の流行をお手伝いできて、心から感謝している」と喜びを語った。
そんなかねひささんは、アニメーション作家としてだけでなく、アニメーション研究家としての顔も持つ。
アニメーションは、1900年代初頭に誕生。日本においても大正時代から制作されるようになり、アメリカから短編作品の輸入も行っていた。そのため、本国アメリカでは残されていないとされていた“ロストフィルム”が、日本の古いフィルムたちのなかに埋もれている可能性があるという。
かねひささんが高校生のころ、アニメ史研究家・渡邊泰さんとともに発見したのが、ウォルト・ディズニーがミッキーマウスを生み出すより以前に制作したウサギのキャラクター「オズワルド」の作品。当時、大きなニュースとして報道された。