海にも山にも恵まれ、野菜や果物、魚などが食べられる兵庫・神戸のまち。新鮮な食材を手にすることができる地産地消の場として、神戸市中央区に位置する東遊園地と磯上公園を中心に、毎週土曜日の朝に「ファーマーズマーケット」が開催されています。
「ファーマーズマーケット」は、『生産者と消費者を継続的につなぐ』をコンセプトに、旧東遊園地の活性化という目的も含めた食都・神戸の一環として、2015年にスタートしました。アメリカ・ポートランドで行われているファーマーズマーケットがモデルで、一般社団法人KOBE FARMERS MARKETと神戸市の共催です。
「木の下で開催しなさい」「毎週続けて開催しなさい」というアドバイスを守り続け、今年10周年を迎えました。毎週土曜日に開催することで、イベントとしてではなく、毎週買い物ができる日常的な場所となることを目指しています。
ファーマーズマーケットを運営するEAT LOCAL KOBEは、『市内産を食べよう!』をスローガンに掲げ、神戸市内の農漁業や食についての情報発信を行う取り組みとしてホームページの運営からスタートしました。
その後、神戸産の食材を生産者から直接購入することのできる場が市内の中心部にも必要となり、ファーマーズマーケットの開催へと至りました。
さらに、「土曜日以外にもマーケットに参加している農家の農産物を購入したい」との要望を受け、2018年春、北野坂に「FARMSTAND」をオープンしました。毎日農産物が手に入る場所で、キャッチフレーズは『毎週から毎日へ』。日々多くの人でにぎわっています。
取り組みはどんどん広がりをみせており、農業以外の仕事と両立しながら農家を目指すための社会人向け農業スクール「MICRO FARMERS SCHOOL」が開校。
従来、農家になるためには研修期間で1年間1200時間以上にも上る農業研修を受ける必要がありました。そこで神戸市は、100時間程度の研修で小規模な農地を借りることのできる「ネクストファーマーズ制度」を制定。
ファーマーズマーケットを訪れたことをきっかけにMICRO FARMERS SCHOOLに通い、いまでは、生産者としてマーケットに出店している人もおり、農業の輪が広がっています。