街を歩いている時に犯罪にまき込まれたり自宅に不審者が押し入り強盗行為を行った……など、昨今物騒なニュースを見かける機会が増えたように感じます。「治安が良く平和」というイメージの日本は過去の話なのでしょうか。とはいえ、大抵の犯罪者は警察によって逮捕されます。それは様々な場所に防犯カメラが設置されていたり、街のいたるところに犯罪の手がかりとなる“証拠”につながる設備が整っているからであると言えます。
今回は、強盗などのリスクが大きい銀行で犯罪が起きた場合どのようにして犯人の手がかりを得ているのか、逮捕に必要となる証拠を集めるための取り組みについて「一般社団法人・日本防犯学校」の副学長である桜井礼子さんに話を聞きました。
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日本防災通信協会の資料によると、金融機関を対象とした強盗事件の発生は2001年の237件をピークにその後は100件台で推移。2008年には83件と初の2桁台に。これ以来減少傾向にあります。しかし、2022年(令和4年)は前年より8件増の17件。翌年の2023年は11件で再び減少に転じました。この理由については「警察活動の強化と各金融機関の防犯対策の充実等が考えられる」と記してあります。
資料のデータから、近年では昭和~平成に比べ金融機関への強盗事件は大幅に減っているものの「ゼロ」になったわけではありません。そのため銀行強盗が発生し犯人が逃走した場合でも、証拠を集めるための様々な策が講じられています。「第1に防犯カメラ。服装・体格など把握するために非常に有効な手段です。加えて重要なのが犯人の“身長”。これを知るために、実はある工夫がされているのです」と桜井さん。
犯人の“おおよその身長”を割り出すために、銀行ではいったいどのような方法がとられているのでしょうか?
【出入り口にあるカラーテープ】
出入口の自動ドアには赤、黄色、緑など目印が付けられていることが多いそう。これはテープの高さによって、入店者のおおよその身長が分かるようになっています。※全ての銀行が実施しているわけではありません。
【観葉植物の設置】
多くの銀行内には観葉植物が置いてあります。インテリアとしての要素もありますが、本当の目的は強盗があった際に犯人の背丈の参考にするため。そういった理由から、設置されるのは比較的背の高い植物が多いといいます。設置する大きさに規定はなく銀行により植物の大きさはバラバラですが、おおまかに身長が分かるようになっているのだとか。
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犯人の特徴などできるだけ多くの情報を集めれば、精度の高い目撃情報などを得ることができ迅速な犯人逮捕へと繋がるのです。
※ラジオ関西『Clip』2025年1月21日放送回より