阪神・淡路大震災の発生から、今年1月17日で30年を迎えた。
神戸市を拠点とするラジオ局・ラジオ関西では、1月17日を含む週を“震災ウィーク”と題して特別編成での放送を実施。月曜日から金曜日の午後1時から放送しているワイド番組『Clip』では、1週間を通して防災にまつわるラジオドラマなどを放送した。
1月17日の放送を担当したのは、同番組で金曜日にパーソナリティーを務めるドラァグクイーンのサマンサ・アナンサとインスタグラマーのウラリエ。震災にちなんで、「あなたのもしもの備え」をテーマにメールを募集した。
リスナーからは、「シャワー派で浴槽を使わないので、いつも水を溜めて貯水槽のようにしています」というメールが寄せられた。大阪北部地震のときに丸1日水道が止まってしまいとても不便な経験をしたため、水だけは必ず常備するようにしているという。
このリスナーは、おすすめの防災グッズとして古新聞を挙げた。汚れを拭く、物を包む、燃やす、寒いときに服の中に入れて防寒具にするなど、幅広い使い方ができるため重宝するのだという。
メッセージを紹介したウラリエ自身は、ポータブル充電器を常備しているという。もしもに備えて常に持ち歩いているようだが、さらに大きいサイズのものも買おうかと検討中だという。
続いてのリスナーの“もしもの備え”は、1万円札を財布に携帯すること。非常食や携帯ラジオも備えているが、災害時に電子決済が使えなくなる事態を想定して1万円札を持つようにしているそうだ。
以前、台風で大規模停電が発生した際、近所のコンビニもレジがダウンしてしまい、電子決済で払おうとしていた買い物客が途方に暮れていたという。そのとき、現金を持っていたリスナーは無事に食料と飲み物を手に入れることができた。この経験から、現金の備えは電気や通信インフラがストップしたときの生命線だと痛感したのだそう。
とあるリスナーは、「水や非常食、懐中電灯を備えているものの、防災グッズを詰めた袋などは用意できていない」という。毎年、用意しないといけないと思いつつ用意できていないままのようだ。
ウラリエも同じくいくつか防災用品は準備をしているがまとめられていないとのことで、改めて「まとめておかないといけない」と気を引き締めていた。
毎年、阪神・淡路大震災が起きた日の前日に、用意している水や非常食の入れ替えを行う人もいた。停電で冷蔵庫が使えなくなることに備えて2リットルのペットボトルを常に1本冷凍しているほか、自販機用の小銭や簡易トイレも常備しているという。
「南海トラフ地震が心配なこともあり、できる限りの備えはしている」というメールを読み終えたサマンサは、「地震は本当にいつ起こるかわからないので、自分たちにできることをやっておいて損はない」とコメント。ウラリエは、「避難場所や、はぐれた場合の集合場所なども改めて決めないといけない」と話していた。
(取材・文=バンク北川 / 放送作家)
※ラジオ関西『Clip金曜日』2025年1月17日放送回より