プロ野球・オリックスの渡部遼人選手が、ラジオ関西の番組にゲスト出演し、プロとしての成長や技術向上への挑戦について語りました。
桐光学園高校、慶応義塾大学を経て、2021年のドラフト4位でオリックスに入団。2022年からプロとしてのキャリアを積み重ねている渡部選手ですが、「1年目は、一球の怖さを目の当たりにすると『やばいやばい、どうしよう』みたいなという感じで、地に足がついてないみたいな感覚に初めてなった。学生のときは緊張したことがなかったですが、変なところに力が入ったり……。これ(緊張)は想像以上でしたね」と、当初はプロの厳しさを実感したといいます。
そのなかで、俊足や好守が評価され、代走・守備固めからの出場も目立った背番号0は、途中出場のタイミングについては「雰囲気でわかる」とコメント。ただし、試合中にベンチをあけるのはあまりよくないということで、「5回が終わって、ちょっとだけ自分で身体を動かしている」そうで、ベンチに戻ってからは「場面によって変わっていきますが、打順の巡り、点差、ランナーの出方とかを見て、ちょっと強めにアップをしたりする」と、控え野手の準備の状況を明かします。監督からの指示ではなく、監督→ヘッドコーチ→コーチという伝達を経て、選手には出番が伝えられるそうですが、先発のときより「後から行く方が(グッと)緊張感というのは増してくる」ということもオンエアで述べていました。
プロ3年目の2024シーズン、渡部選手は、キャリアハイの65試合に出場し、81打席に立つなど、キャリアハイの数字を記録。9月21日の日本ハム戦では自身初となるサヨナラ打を放ち、打撃でも結果を残すことができました。
試合出場が増えたことで、「『こういうときにこうしたらいいな』など、流れ的なところのつかみ方などを手にした。バッティングで足りない部分もすごく見えてきた」。ただし、打率は1割台と、目下の課題は打撃。「ピッチャーの球に負けていたので、それでフライが上がってしまう。(2024シーズンの結果のうち)50パーセントがフライアウト。それがもったいないなと思う」と、自身も現状を認識しています。
当初は、「えっ、なんでだろう? 負けてるのかな、タイミング悪いのかな……」と悩んでいたそうですが、分析を進めるうちに、ピッチャーの球の勢いに押し負け、球がバットの上をすべるような形になり、結果、フライになってしまうことが多かったと気づいたそうです。
この課題を克服するため、渡部選手は春季キャンプで「速い打球を打つ技術」を身につけることに注力する計画を立てています。具体的には、強いスイングを生み出すための体幹トレーニングや、スピードの速いマシンを使ったバッティング練習などを行い、「ライナーとか速い打球、しっかり(野手の)間を抜ける打球を打つ」ことで、打率、出塁率のアップを目指しています。
ちなみに、オンエアのなかでは、番組パーソナリティーで、オリックス戦の実況などを担当するフリーアナウンサーの田中大貴さん(元フジテレビアナウンサー)が、MLBのロサンゼルス・ドジャースで活躍する大谷翔平選手を例に出し、打球速度の重要性をコメント。「大谷選手が以前に言っていたのは、データ上、打球速度が時速180キロを超えると、打ち損じ含めて計算しても、打率3割超えるらしい、と。実際に大谷選手は、あれだけ振っているのに、(2024年も3割を)超えている。つまりは強いスイングができるかどうかが大事。180キロを平均で超えると、3割30本を確実に打てるという計算になるらしい」という話をすると、渡部選手は「180キロはえぐいっすね。しかも平均ですよね……えげつない」と感嘆。改めて打球速度向上の重要性を強く意識した様子でした。
最後に、2025年シーズンの目標について、「やっぱり、スタメンで出ることは目標」と力強く意気込みを述べた渡部選手。田中アナからは「ヒーローインタビューの練習もしないとね! オリックスはみんなヒーローインタビューがおもしろい。負けてられないですよ!」と発破をかけられると、「はい! まずヒーローインタビューに立てるように」と、さらなる飛躍を誓っていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2025年1月20日放送回より